2006-04-08

車輪の国、向日葵の少女


 倒壊の参謀、そしてナスティ・ボーイと絶賛され、推挙を受けた作品。同志たちならともかく、属性の違う2人が推薦したことでキャラ萌えとかじゃなく本質的な面白さに期待をさせられる。
 略称は、「車輪」と呼ばれることが多い。
 このゲームは萌えもあるけど、なかなか少ない。ゲーム中もそれほど吼えることも無かった。まぁ、そこはそれ。少なければ少ないで些細なことで吼えるようになるだけだが。(相対性理論)
 シナリオは非常に面白い。特に2章3章は超盛り上がる。ギャグもかなり笑わせてもらった。チョー気持ちいいはさすがに大爆笑。声の人も神。法月先生のセリフも痛快、声もイイ。「謝るな」やラストのセリフなどは最高。社会風刺にもなっている。残念なのは、5章にダルさを感じてしまう点。5章の初っ端でこの物語最大のトリックが登場するが、それ以降が続かない。いやこれだけのトリックなのだから続かなくて当然なのだが、ここからラストまで想定の範囲内で全てが進む。また、解けていない謎は解けないまま放置される。あれは何? と言う疑問がいくつか残ってしまう点も残念。5章開始時の謎明かしに、解けてない謎を組み合わせたもう1発を期待してしまうレベルのシナリオテキストだけに、謎が解かれなかった点も不満になった。だがしかし、ヒロイン対象4キャラで、灯花で2泣き、さちとラストで1泣き。泣きゲーではないので文句無いレベルだと言える。
 CGは……かなり惜しまれる部分。それ散る臭い(西又臭)のだ。テキストに助けられている部分は非常に多く、また、肝心要めの夏咲、法月に限ってダメっぽいCGが多い。場面転換の際に出る下書きのようなCGは良いものなので、塗りの人が甘いのだろう。無理して3D使うのも痛々しい。法月のCGには圧倒的な存在感……凄みが無い。これも寂しい。しかしこんなレベルであるからこそ、たったの2ドットにしましまを感じ、狂喜乱舞出来るよう思考が指定されるのだ。(ぉぉぉぉ
 音楽はそれなり。これぐらいで普通なのだろうが、もう1歩を求めてしまう。
 システムは不安定だと聞いていたが、そんなでもなく至って通常レベル。ひたすら使いやすいとも感じないが、使いにくいとも感じない。プロローグのシーンのようなものが本編中にもっとあっても良かった。
 総じて、やって損は無い名作レベル。基本的に1周回で終わってしまうので、忙しい人にも優しい。学生でも社会人でも、非常に楽しめ、遊べ、学べるいいゲームだと思う。