2009-04-10

キメの細かいお肌とは

 まず、キメとは何でしょう。概ね、肌にツヤと弾力性があり、見た目がパウダーを塗ったようにサラサラとしている状態を「キメが細かい」と言うのではないでしょうか。
 これを皮膚の構造で言うと、皮膚には目に見えない溝が網目のように無数にあって、その溝が細かく整然と並んでいる様を、キメが細かい、キメが整っていると言います。

 キメが細かいと皮膚に溝が多くあるので指で押さえると柔らかく感じ、整っているのでしっかり元に戻ろうとする、つまり柔らかく弾力性のある肌になります。サラサラに見えるのは溝が細かく無数にあり、毛穴も目立たなくなるためです。
 ちなみに赤ちゃんの肌が柔らかいのは、身体が小さい分この皮膚の溝も小さく細かいからであり、アレは大きくなった成人には無理です。
 しかしこの皮膚の溝は、肌に弾力を持たせるために存在しているのではありません。
 この皮膚の溝は皮脂を皮膚上に効率良く留めておくために存在します。皮脂は油なので顔面に乗っているだけでは滑り落ちていきますね。粘り気があるとは言え液体状ですから。そこで皮膚に溝を作って油を留め、表面張力によって溝と溝を挟む皮膚(皮丘)に薄く膜を張らせ、皮膚全体を皮脂で覆えるようになっているのです。
 このような目に見えない皮膚の溝がたくさんある状態が、健康で美しい肌、キメ細かい肌と言えます。

 それではこの皮膚の溝、どうやったら細かくなるのでしょうか。
 むしろどうして荒くなってしまうのでしょう。
 皮膚の溝の用途は前述のように「皮脂の保持」なので、皮脂が潤滑にあれば皮膚の溝は薄くなっていきます。男性はこの原因でキメが荒くなっていく場合が殆どでしょう。
 しかし女性はその逆。メイクをするのでそれを落とすために皮脂もよく落とすことになり、あまり皮脂がありません。なので皮脂の保持のために溝は深くなるはずですが、皮脂とはつまり油なので油分が潤滑にある状態が発生していることになります。
 はい、乳液やクリームの塗りすぎが原因です。乳液やクリームは成分の殆どが油なので、たっぷりと塗ってしまえば皮膚上に油分がたっぷりとあると判断され、溝は薄くなっていくのです。
 肌を鍛えよう、肌を甘やかすな、と言われるのはこれを指している事が多いです。
 しかしこれら乳液やクリームを使わないと、化粧水がすぐに蒸発しますので使わざるを得ませんね。
 なので、キメの細かいお肌になるには、乳液やクリームは適量に、または無い日を作っても構わないと思います。