2002-05-17

My Merry May


 昨春に大いにハマッたClose toから約1年、夢のつばさ、てんたまと良作を飛ばして期待を裏切らなかったKIDが、春先からミルキィ・シーズンで俺だけかもしれないけど大ブレイク。
 そんなKIDが送る待望の新作がコレ、マイメリーメイだ。
 通称は「マイメリ」。

ファーストプレイ(レゥシナリオ)

 主人公は古くしなびた学生寮に住む高校生。
 物語の時期は5月のゴールデンウィークからスタートする。
 レゥ、登場。
 銀髪ロングの横おさげツインテール。
 夢のつばさのヒロインもいきなり裸バスタオル巻きっつー美味しいシーンがあったが、このレゥもいきなり裸Yシャツで添い寝と豪快にキメてくる猛者。しかし、寝そべっても崩れない前髪が不思議だ。と言うか不気味だ。
 ひとえ、登場。
 ショートカットの幼馴染み。解かりやすく言えばまじかるアンティークの結花。
 外見的にもホームランボールだが、性格も良い。しかし、ちょっと食べ飽きちゃった系統かな……(ぉぉぉぉ
 何も解からないレゥに、ワンピースを買ってきて着させる。と言うか、レゥがどうしてそこにいるのか、何者なのか、主人公との関係は一体何なのかも解からない状態なのだが。
 だが。
 だが……どうやら、主人公の趣味とプレイヤーである俺の服の趣味はかなりビンゴっているらしい。
 開始早々、吼える俺(マテ
 ひらひらっひらひらっ(カーニヴァル)
 たえ、登場。
 主人公の住む学生寮の寮母代理で、現役大学3年生。
 ポニーテールで、世話好きなくせに自分勝手なお姉さん。
 はい消えた(マテ
 ……とは言っても、Close toも夢のつばさもミルキィ・シーズンも年長キャラを俺の萌えキャラに仕立て上げてきたKIDの作品だ。油断は出来ない。
 ようやく、レゥとの出会いのシーンとなった。
 かなり躁鬱の激しい主人公で、ちょっと電波気味(ぉ
 と言うか、早々に親父に電話とかシロと思うのは俺だけなんでしょうか。
 レプリスという人造人間のレゥ。ようするに東鳩のマルチのようなロボットだ。プログラムはDVDディスク1枚でマルチと容量的には変わらないが、外見や性格のカスタマイズが可能らしい。背は低めで痩せ型で……と俺と同じような趣向をインプットしていく主人公だが、どうしてロングヘアーなんだよ! ショーットカット希望!(ぉぉ
 ちなみに、主人公の父親と兄貴はこのレプリス開発に一生を捧げる学者らしい。
 何の違和感も無くレゥとの生活をスタートする主人公。……それはどうか?
 って言うか「おにいちゃん」って言うな……。言ったらふきふきだからな……(違)
 自分の事は「レゥ」と呼び、主人公のことは「おにいちゃん」。KIDもついにやっちまった気がしないでもない。
 もとみ、登場。
 主人公の悪友である亮の彼女。ツインテールのメガネっ娘。
 特にツッコミ所のある性格や外見はしていない。
 ただ、メガネを外すと凄く可愛くなるような感じがする……。
 みさお、登場。
 来たねキラーマシンが。るろ剣の斎藤一が目の前で牙突を構えている……そんな気分だ(謎)
 首元で切り揃えたボブカットにカチューシャをしている。
 人見知りが激しいのか、かなり大人しい性格でやや無口系。
 母親が死別して父親も開発研究に没頭して長らく不在。家族を知らない環境で育った主人公が、みさおちゃんを「自分に似ている雰囲気」と感じた。……なんか、ヤバそうな匂いがしやがるぜ……。
 ドリームキャスト特有のディスクシーク音がうるさい。……こればっかりは仕方ないんだろうけど、画面切り替えやボイスデータ読み込みのたびにシャーシャーと音が出るのは気が散って良くない。
 また、ボイスデータの音がこもり過ぎだ。もう少し音質を上げられないものだろうか? いや、音質が悪いのではなくて音量を増幅させたような音になっている。AMラジオ並みだ。どんな状況でも密室のすぐ傍で話しているような声質になってしまう。
> もとみ「一目惚れって、信じます?」
 テメ、メガネでコアラかよ!(違)
 悪友の亮の彼女であるもとみ。しかし亮は……。コノヤロウ……(憤
 レゥが生まれ落ちた経緯と目的を考えると「お兄ちゃん、お兄ちゃん」と言うたびに萎えるんで正直どーでもいいんだけど人道的に、亮にYesと言えない。
 上のような問題が色々とあるのだが、事態が収束に向かうことはあっても解決することはないまま、流されっぱなしでシナリオは進む。
 現実に即していると言えばそうなのだが、非常に不快。うぐぅ。
 リース、登場。
 レゥと同じくレプリスで、レプリスとして正常に動作している状態。
 簡単に言えば、東鳩のマルチに対するセリオのような比較対照キャラなのだが、ことごとく人間様のツボを抑えた行動と反応をする。人間味に欠けるわけでもない。
 しかし、それでは物足りないのは人が……俺が貪欲なのだろうか? 否、それは否。だって、レゥもリースもいらな(以下削除)
 シナリオはどうやらもうラストを迎えるような雰囲気だ。
 消化不良だ。叫べていない。何かイベントをこなした気がしない。
 それもこれも結末を迎えないイベントのおかげだ。イベントシーンが終わっていないまま次へ進んでいく。いつものKID主人公のように気絶とかして(ぉ
 くそぅ、シナリオの全容が把握できてからしか叫ぶことも出来ないか。
 エンディングは多分……と言うか間違いなくレゥエンド。
 ファーストプレイで思ったことはもとみとみさおのシナリオは凄く面白そうだ、と主人公とレゥの間とは別のルートで起こっている事の方が興味がそそられる。

もとみシナリオ

 美味しいものは後に残してとっておくこととして、次はもとみのシナリオへと突入したいと思う。
 親友である亮の彼女で、短めツインテールのメガネっ娘。亮とはもとみから告白して交際し始めた仲で、熱愛CHU。かなりいい加減な亮を持ち上げるシーンも多い。
 んー、ゾクゾクくるねェ、イイよぉチミぃ。怖いよォ?
 ……なんだか君望のマナマナのようだよォ?
 形式的には亮と付き合っていることになっているが、亮の前に現れたレプリスのレゥ。亮から見れば親友の従妹の可愛い女の子。もちろん惹かれて当たり前だ。だって外見上は親友である主人公の理想を具現化したレプリスなのだから。このロリ野郎どもめ(マテ
 しかし、亮の気持ちも解からんでもない……(ぉ
 メガネっ娘が最もメガネっ娘であるシーンが炸裂。自分の頭にあるメガネを探す古典的なものである。
 メガネっ娘の良さが解かる1シーンだ(ぉぉ
 伏線の貼り方は巧妙で上手い。が、シナリオの展開のさせ方が下手だ。一つ一つのイベントシーンを上手く繋げられていない。時系列的には繋がっているが、そのイベントシーンが全て1本に繋がっているとも思えない。
 やっぱり、流されている感じ。
 もとみのシナリオを選んで選択肢をキメ打ちしているはずなのに……しているはずなのに、何故か休日にひとえとデート。なんでやねんなんでやねんと思いつつ、ひとえにハマる俺(ぉぉぉ
 長い時を一緒に過ごしてきた異性の幼馴染みとはかくあるべきだ。強く信頼し合いながらも異性として個人としての距離がある。ああっ……(謎)
 って言うか、懐古シーンで出てきたロングヘアーのひとえが最高。
 主人公の兄、恭平に敬語を使うひとえ、超ツボ。
> もとみ「男の人って、どういう気持ちで浮気するの?」
 ねぇ、どう言う気持ちなの?
 半纏系の人、どうなの? ソコんトコ詳しく(ぉぉぉ
 ……まぁ、俺は浮気などしないと思っているが心理的には解かる。男は常に一匹狼でいたいのさ。孤狼なのさ。解かりやすく言えば常に自分を一人前の男として見て、自分の両足で立っていたいわけだ。そう相手に見られたい心理もある。そんなことが無理だと解かっていても。そうすることによって、他人との会話・交渉は常に1対1となる。側に誰かがいて相手をするのではなく、自分を1人の男とした上で相手に接するわけだ。相手とは常に1対1で対等に渡り合うことになる。この時、概念として傍にいる人は存在しない。全ては単一で線と線の解かりやすいベクトル。だから、その対象に惹かれてしまえば惹かれてしまうことになる。傍にいる人間がどうこうとか言う問題はまったく関係無いわけだ。最初から概念として存在しないわけだから。だから、傍にいる人との関係・過ちは後になって後悔することになる(ぉ だから君望(以下略)
 そして、もとみエンド。
 痛烈な焦燥も爽快な感動も無く、ファーストプレイで感じた期待ほどではなかった。と言うか、ひとえシナリオの期待が大きくなった……(ぉ

たえシナリオ

 さて、レゥともとみエンドを終えて期待感高まるのはみさおとひとえのシナリオ。しかし、ここは意表を突いてたえさんルートを目指そう。
 主人公の住む学生寮の寮母代理で大学生。ポニーテールになったりウェーブロングになったり。自己中だけど優しいお姉さん。
 主人公の境遇設定は前述のように母親が死別して父親も開発研究に没頭して長らく不在。家族を知らない環境で育った主人公だ。特に母親が死別している所が、このお姉さんアビリティを持っているたえさんルートのキーポイントになるだろうか……。
 特に感慨も無くお祭りへとシナリオは進む。
 ふむ、みさおちゃんシナリオとの複合ルートなのか? みさおちゃんルートだと思われる選択肢を選びたくて仕方が無い(ぉ) って言うかこのままお持ち帰りしたいんですけど。 みさおちゃんに、「えっち…」とか言われて逆に萌える俺(マテ
 そして、たえエンド。もとみシナリオでは良く解からなかった主人公の恋愛感情が良く描かれている。爽快で良い話だったが感心するばかりで感動場所は無し。ちょっと残念かも……(笑)
 さぁ、My Merry May(主人公)の謎も大きく明かされてきた。お楽しみの2本のシナリオに大きく期待を寄せてスタートッ。

ひとえシナリオ

 ホームラン確定のみさおは最後に戴くとして、ひとえルートに進行しよう。
 主人公の幼馴染みの同級生でクラスメイト。親しく理解しあいにがらも一線を引いた間柄。特にその一線を越えたいと主人公が思わないので、他シナリオではいつでも友好的なひとえ。ひとえ自身はそう思っていない節が多々あるが性格があっさりしているので、困惑することもない。
 食べ飽きた系統(ぉ)とは言え、実際にプレイするとやっぱりイイ感じ。惹かれるのは致し方無いアビリティだろう。
 あ、オーロラが(笑)
 相変わらずKIDゲーの、重ね合わせ処理や拡大縮小などコンシューマの機能をフルに使った画面効果は見ていて飽きない。ただ、2次元ピースを動かす処理は少し違和感もある。まぁ、このような「動きを表現している」だけで実際は想像で補完しろってことだろうけど。
 その中の一つに、陽光の効果がある。夕陽や朝日の陽光の差し込みを表現する画面左上隅に現れる効果なのだが、それが夜に現れていた。おそらくはプログラムミスだと思うが、オーロラのようで意外と綺麗だった(笑)
 幼馴染みであるひとえは、主人公の兄である恭平を知っている。幼い頃からよく3人で遊んだ仲だそうだが、ひとえの恭平に対する呼び名は「おにいちゃん」。
 ひとえは声が低くて声質自体はあんまり好きじゃなかったが、その一言で不覚にも萌えた(ぉぉぉ
 と同時に兄・恭平に嫉妬(ぉぉ
 どうやら、このシナリオのシンクロ率は非常に高くなりそうだ。
 そして、ひとえは動き出す。シナリオは終盤戦に差し掛かってきた。
 Tシャツにひらスカで。
 ワンダホッ!(マテ
 ……。
 ワンダホッッ!!(マテマテ
 繊細な雰囲気。
 ナァ、ドウシテソンナコトスルカナァ……(謎)
 I’ll come……(謎)
 ひとえシナリオは青いまま終わってしまった……いや、ま、これはこれで良いか……。
 つーかね、つーかね……恭平兄さん、ちょっとカッコ良すぎ。
 恭平兄の頬染め立ち絵CGがあったことにも驚いた……(ぉぉ
 しかし、ひとえに兄弟丼くらってるよ……いや、喰らわれてると言ったほうが正解か……(笑)

みさおシナリオ

 さぁて、最後の最後のとっておき、みさおシナリオへ突入だ。
 ボブカットで、中学生で、物静かな無口系で、後ろからクイクイと上着を引っ張って呼びそうなタイプ。俺ももちろんストライクゾーンだが、俺よりむしろS氏あたりが場外ホームランボールだと確信してしまうキャラだ。
 俺の属性的に無口系は好きじゃないのだが、みさおちゃんの他の属性がほぼパーフェクトに近い。これでひらスカだったら、間違いなく無条件降伏を申し出なければならない所だ。
 三本勝負のトレーニングをみさおちゃん、レゥとすることになる。
 賢そうなみさおちゃんだが、あまり勝負運は強くないのかレゥにまで負けてしまい、へこむみさおちゃん。……萌え(ぉ
 物語はお祭りへ。
 たえシナリオでもそうだったように、みさおちゃんの浴衣姿は殺人級(謎)
 ……すいません、謎になってないですね。ハイハイそーですよ、俺はもうダメですよ(謎)
 この謎は謎になっているだろうか……。
 レゥの精神年齢が幼児並みなので、みさおちゃんが大人のように感じる。
 だめだ……回避できないか……。
 あーあー、もう。
 詰みました、負けました、逝ってきます、吊ってきまス!(謎)
 お祭りの夜、いきなりみさおちゃんをデートに誘う主人公。
 そうですか。「お兄ちゃん」呼びの精神年齢幼稚園児のレゥに加えて、真正中学生のみさおちゃんまで毒牙にかけますか。この真性野郎め、逝ってヨシ。
 ……って、俺やん?(ぉ
 デートの最中、みさおちゃんの携帯電話からたえさんに電話する主人公。
 そうですか。みさおちゃん狙いなのは否定しませんか。たえさんをやんわりと断わって二人きりのナイトオブファイヤーですか。この真性野郎め、吊ってコイ。 ……って、俺やん?(ぉぉ
 学校から帰ってくると、主人公の部屋で学生服のままいきなり寝ているみさおちゃん。
 ……はい?
 どういう状況ですか? これはひょっとしてアレですか? 据え膳食わぬは漢の恥ってやつですか? その無防備な寝顔は何を意味してますか? とりあえずおヘソぐらい見ても罪にはならないのでは? って、惜しいよ見えないヨ。もう少し下のアングルから攻めねばなるまい。もう少し下のアングルから攻め…って、その手前にある白い三角形(トライアングル=サンクチュアリ)を目指しているわけじゃないぞぉ? あえて言うならそう、そのみさおちゃんの細っちい太ももに視線 ク・ギ・付・け な俺はこのままイタダキマーす……いや、違う違う。NHKで中国語講座をやってる(大混乱)
 GUUWOOOOOOO!!!
 GUUWO-GUUWO-GUUWOOOOOOHHHHH!!!
 ……プレイした人だけ解かれ。(ぉ
 って、何故また寝る!?
 どうしてそんな切なげな瞳で見上げる!?
 ルパンダイヴ、キメちゃうヨ?(マテ
 レゥの誕生会。
 すっかりレゥとも意気投合するみさおちゃん。段々とみさおちゃんの性格の片鱗が姿をあらわす(謎)
 ……最初の頃(別シナリオ)からは想像もつかないような足技を2つ。む、むぅ……変化球か……? ド真ん中に入ってきそうな勢いだ。 素になったと思われるみさおちゃん。手のかかる妹が2人に増えた感じ。
 レゥが、レゥが……「にゃあ」言うなヴォケッッ! 萌えそうになっちまったじゃねーかゴルァ!
 そして物語は急展開。みさおちゃんの独白からレゥへの謝罪と会話、恭平兄の登場まで涙無しでは見ていられない展開が続く。
 まさか、あの「にゃあ」までもが伏線になっているなんて思わなかった。飼い猫の死に方は……解かるよな?
 ……うぐぅ……。
 みさおシナリオを最後にして良かった……。
 これはさすがにレゥを見直した……(ぉ
 でも、みさおちゃんに何の罪悪感も感じない主人公は、おるすばんマスターかと思ってしまった……(ぉぉぉ
 その状態(後ろからとか、ひざの上とか)は激萌なんだけど……。少しは躊躇とかいたわりを見せて欲しかったり。

総括

 さて、総評。
 シナリオの展開はあまり高い評価はできないが、伏線の貼り方が非常に上手く巧妙でこれは感心する。感動に包まれたり慟哭が突き刺さったりするかと言えばそうでもない。ただ、非常に良い話だと思うはず。
 テキストの長さを考えるとCG枚数が非常に少ないように思うが、そのあたりは立ち絵を細かく扱えるシステムの良さでカバーしている。だが、1枚絵……と言うか漫画やアニメのように「絵で見せる」「魅せる」ものならもっと感情に入ってきたのに、というシーンも多かった。
 BGMは、BGMとしてのみ機能しているように思う。印象的なものは無かった。サイレントシーンを活かすために活用されている感じだ。
 なかなかの秀作であり、やって損は無い。