2004-01-26

RX-8

 観音開きの4シーターロータリースポーツ、と言う触れ込みで前評判からして異様に盛り上がっていたマツダが世界に誇るスポーティカー。
 ユーノスコスモとランティスの素晴らしいパッケージングを踏襲しつつ融合させ、ロータリーエンジンを載せてチューニングを繰り返したかのような印象を受けた。
 ドライブフィールは間違いなくRX-7のそれを受け継いだもので、コーナーリングに置いて驚異的なパフォーマンスとフィーリングを与えてくれる。もちろん、ロータリーエンジンが醸し出す高音域の爽やかなエンジンノイズは、好きな人にはたまらないエッセンスとなるだろう。だが、いくらか走らせてみると実はマイルド志向であることが解かる。低回転域、低速カーブ、静粛性、排気ガスや燃費などに向けられたセッティングとなっている。ロータリーエンジンの特性である低回転域の軽さは感じられるものの不満は出ないだろう。むしろこれで不満が出るようならロータリーに乗るんじゃねぇ。
 思いっきり切り詰められたフロントとリアのオーバーハングから、低く小さく見せる巧妙なパッケージングを受けてもなお、大人4人が十分に乗れてしまう居住性は素晴らしい。4人乗車を考慮して購入する車ではないことは解かっているのだが、それでもそれが出来ることがマツダデザインの意地なのだろうか。但し、フロントヘッドランプ付近やリアストップランプ付近のモリモリ感満載のモコモコデザインは好き嫌いがでる所だ。私ははっきり言って嫌いである。私が好きなのはスマートスポーツであって、マッシヴスポーツとは違う。遠目から見ると流麗でクールなデザインなのだが、近くに寄るといかにも「パワーありまっせ」的な雰囲気が好きになれない。それでいてセッティングはファミリーコンセプトなのだからね。まぁ、その2面性が良いと言う場合もあるので、一概に悪い部分とは言えないが。
 メーカー特色があるので一元的な基準では語れないが、スカイラインやアテンザよりもスポーツ、フェアレディZやS2000よりはマイルド、と言った感じだろう。競合するラインはもちろん日産スカイラインである。2シータースポーツはコンセプトとして敵ではない。まぁ、購買層から考えて被るでしょうが。
 そうは言っても、低燃費高公害のロータリーを市販まで持ってきた、即座に購入できる世界で唯一のロータリーエンジンカー。その存在だけでも、充分にカーマニアにはたまらないものである。