2005-03-11

めぐり、ひとひら


 声のソムリエ先生こと、M氏にお薦め頂いた作品。
 作品の特徴や推すべきポイントなどはまったく聞いた事が無い。ネタとして推さない所を見ると、良作の気配もするが、もう少しアピールポイントが欲しい所である。
 だが……巫女ゲーらしいので、あっさり飛びつく俺。そろそろ悔い改めたほうが良さそうである。
 略称などは特に無い。

ファーストプレイ

 単線鉄道の走る雪国の片田舎がいきなり背景になる。良いですぞ良いですぞ。思わず旅に出たくなる。(ぉ
 主人公は、流浪の売れない画家、らしい。
 ふらふらとモチーフを探して山奥へ分け入ると、いつの間にか鳥居の前に立つ主人公。どうやら、ホンモノみたいですね。
> 「わらわの名は『結乃由姫命』──この神社に祀られし、偉大なる女神サマじゃっ!!」
 由、登場。
 ツインテールのちびっ子神様。なかなか我が侭な性格をしておられるようで。
 主人公は名前が長いので「由(ゆえ)」と呼ぶようになる。主人公の事は「愚民」とか「お主」と呼ぶようだ。
 まぁ……桜花?(違)
> 「お兄……ちゃん」
 こま、登場。
 主人公の義妹。蒼眼という特殊な能力を持っている主人公をかばって幼き日に亡くなってしまった……はずだった少女。
 もちろん主人公の事は「お兄ちゃん」と呼ぶ。
 ショートボブのホームランコースなんだが、お兄ちゃんってのがなぁ……。
 ここでオープニングムービーが挿入される。
 作品の感触としては、朝夜やどこ青のような伝奇物だろうか。神秘的が強く猟奇的な感じはやや緩い。
> 「お待たせ……き、着てみたよ。お兄ちゃん」
 こまが洋服を着てきた……ワンピーススカートにストールはいけません。果てしなく打ってしまいます。どこまでも打ってしまいます。星空に吼えてしまいます。雪の公園で慟哭してしまいます。
 初めての選択肢。
 こんな選択肢は珍しい。由の発言をどっち向きか選択する選択肢が出た。
 そしてまた選択肢。こまの言動が選択肢に含まれている。主人公視点の選択ではなく、物語の第3者視点による選択肢になっている。
 選択肢が、「行動を選択する」ではなく「シナリオを選択する」感が強くて、感情移入が難しそうである。
> 「おっ……お兄様……?」
 こりす、登場。
 また妹デスカ……? なにこの雪国シスプリ(違)
 ウェーブロングの長い髪にお嬢様チックな容姿。主人公とは家が近所だったらしい。こりすの祖父に決められた主人公の許婚らしい。こまも知っていて再会を懐かしむが、激しく陰りが……。
 ゆかり神社の祭神である由に向かって「ちんまい」だの「頭が悪そう」だの「可哀想なお子様」だの言いたい放題。面白くなりそうである。
 あー、打てるか打てないかで言うと打てないんだけど、こまの妹設定と、由の人外設定を考慮すると打たざるを得ないような気がする。
> 「お、お待たせ……由ちゃん、準備できたよ」
 巫女さんキタ────(゜∀゜)────!!
 巫女さんキタ────(゜∀゜)────!!
 巫女さんキタ────(゜∀゜)────!!
> 「えへへ……似合うかな、お兄ちゃん……?」
 こまが巫女服を着て登場。
 OK、もうおなかいっぱい(マテ
> 「あ、俺か? 俺は翁ってんだ。翁俊信。」
 翁、登場。
 白衣の上にジャケットをはおった長髪の若者の男。人懐っこい笑顔で、神社の常連客のようだ。タバコを咥えている。
 この片田舎には少し似合わない……かもしれない軽い男だ。
> 「な? たまんねェだろ? 巫女さんがわんさかわんさか……おお、ここが地上のユートピアか、桃源郷かって感じよ」
 マイ同志がここにも居たか……(ぉ
 言ったそばから、巫女服(よそいき)のこまが登場。
 なんですか、この素敵ゲーム。
 俺を悶死させる気ですか?(ぉ
> 「どうも初めまして~。春野千草と申します」
 千草、登場。
 主人公が偶然にモチーフとして選んだ女性。橋の上で夕陽に佇んでいた。
 しかし、最初はこりすにも見えず、息をしていないことから幽霊であることが分かる。三角巾に割烹着のような女中さんの格好をしている。
 千草曰く、「ご主人様を待っていた」らしい……。嫌な予感が駆け巡る。
 もちろん打ちませんからーー!!
 こりすと千草のご主人様を探して町を散策。翁と出会う。
 翁がこりすを見てまず、
> 「おお! これまた、色々な制服(ゆめいっぱい)が似合いそうな美少女じゃん。流石は師匠。くぅ~たまらねェな。オイ」
 なんという風情と趣が篭められた素晴らしいルビなのだ……!(笑)
 翁株はグングン上昇中。
> 「やっぱ、帽子系は頭がいいのが特徴かな……?」
 カテゴライズまで!?(笑)
 俺はアンタを師匠と呼びてぇよ(笑)
 千草のご主人様の屋敷を発見したが特に収穫も無く神社に帰ると突然、千草が主人公に抱きついて吼える。
> 「ご主人様、見つけた」
 ……orz
 勘弁して下さい。
 雰囲気はもっと猟奇的になってもいいのにどうしてそんなにギャルゲーなのかなぁ……。って言うか巫女だけでいいって。
> 「……鏡架」
 鏡架、登場。
 千草のご主人様探しの際に一度登場したが、名前もわからずセリフも無し。その後、幾日か経って登場するキャラクター。
 明らかに浮世離れしたと言うか、浮世離れしすぎているキャラクター。黒髪ロングで気の抜けたシスプリの千影で正解だと思うが、私の属性ではないので違うかもしれない。
 つまり、打てません。(ぉ
 なぬ……。
 こまと主人公との出会いが明らかになる。出生については出てこなかったが、孤児院で出会い、兄妹となったらしい……。義兄妹となったらしい……審査は通過したらしい……(ぉぉ
 ヒッティングサインキタ────(゜∀゜)────!!
 こまとこりすと主人公のとらいあんぐるハートキタ────(゜∀゜)────!!
 面白くなってまいりました! 脇は本当に必要無いと思います。
> 「大切って誰かと比べることですの?」
 千草が感動的なセリフを吐くが……それは、孝之理論だと思うんですけど……。
 メイドさんの考える事はよく分からない……メイド属性の考え方って言うか……(笑)
> 「ええ。こまさんの巫女装束を、ちょっとお借りいたしましたの」
 キタ────(゜∀゜)────!!
 染まっていく……! 染まっていく……!(謎)
 こまだけでもいいと思うんだけど巫女ゲーらしく染まってまいりました。
 って、一瞬だけかよ!
 物語はついに核心へ……!
 やっべ、由の涙の独白で激泣(ぉぉぉ
 千草の物語、こりすのストーリーでも耐え切ったと言うのに、由のあのCGは反則だ……。
 脇はあまり必要無いと思って、こまと一応こりすにだけ注目していたのだが、思わぬ所で一撃もらってしまいました。
 終わってしまいましたが……。
 なんでしょう、この釈然としないエンディングは。こま、返ってきませんが……こりすがアレってことは……こりすエンドなのかな。
 むしろ俺的にはバッドエンド……だよね?(ぉぉ

こまシナリオ

 シナリオは各キャラごとにあると思うが、ナスティ・ボーイからのリークで「こまとこりすだけで良い」と言われており、また、私自身もそう思うので、この2人のルートのみを通る事としたい。
 つまり残るはこまエンドだ……。
 って言うか、これってレインボーシール貼ってあった……よね?(ぉぉ
 申し訳程度のシーンしか無いんですが……。
 こまルートへ突き進む。
 ファーストプレイは私の失態で直感の赴くままに選択肢を選んでこりすルートとなってしまったが、ノンストップ・ザ・ワールド(謎)
 それにしても長い……。そして、シナリオ変わらない。選択肢を選んでも多少の前後があるだけで本筋は変わらない。エピローグだけ変わるシナリオと見ていいだろう。
 そしてエピローグ。
 シナリオが変わらないので、特にコメントすることが出来なかった、且つ、ネタバレになってしまうのでコメントできなかったが、今の私はとても幸せです。
 ありがとう、ありがとうキャラメルボックス(謎)
 パジャマでも巫女服でもOKって言うか、そこまで叶えてくれるならワンピースとの縁(ゆかり)も欲しかったぞよ(ぉぁ

総括

 さて、総評。
 シナリオは、よく考えられた設定に、丁寧に丁寧に書き綴られるテキストが映える良作。シナリオ1本道でもきっと満足できると思われる。むしろ俺は満足。しかし、サブキャラ攻略の必要性を感じないあたり、小粒感が拭えない。
 CGは、とてもよく描けていると思う。設定の時点で俺の負けなので、特に言うことは無いです。こまエンドのエピローグCGは最高。
 音楽はなかなかのレベルだと思った。雰囲気にも良く合い、BGMしている。オープニングテーマは良かったが、エンディングテーマに今一つ。
 システムはなかなか凝っていて、良い表現力をしていた。特に吹雪のエフェクトは良かった。
 総じて、時間が有り余っているならプレイして損の無い良作。シナリオは1本道でひたすら長いので注意。もちろん、巫女属性、妹属性の魂も良く分かっており、お勧めできる。