2002-01-05

未来にキスを


 センスオフで名を馳せたアザーワイズの作品。
 キャッチコピーが、「お兄ちゃん、ボクのこと、奴隷にして?」と来たもんだ。WEBの公開情報を見てもそれほど面白そうではないし、友人たちの評価もバラバラ。奴隷とかの従属関係が好きじゃない俺は長いこと敬遠していたが、どうやら俺ツボなキャラがいるらしい。これはやるしか。

ファーストプレイ

 霞、登場。
 主人公のことを「お兄ちゃん」と呼んでくるが、どうやら従妹な模様。自分のことは「ボク」と言う。かなり長髪ロングで生まれた時から髪を切っていないぐらいのボリュームがある。巨乳さんぽいが、ひらスカが良い感じ。「はみゅ」が口癖。
 神経衰弱が弱かったり、風呂に浮かべるアヒルに山倉さんという名前を付けてたり、山崎さんと言うピコピコハンマーで叩いてやらないと目を覚まさなかったり、かなり痛々しいキャラ。
 伏線も脈絡も無く、突然、「私のこと、ドレイにして?」と、のたまう。申し訳ないが、引きまくり。
 式子、登場。
 おさげ青髪のメガネっ娘。
 霞の親友で、霞がボケ役になるからして式子がツッコミキャラ。ほら今アナタが想像した通りのキャラですよ(ぉ
 冷めた感じで論理的な思考と言動だが、親友たる霞には優しい。
 椎奈、登場。
 霞の幼馴染みであるが、主人公とは疎遠のキャラ。霞が主人公のことを「お兄ちゃん」と呼ぶのでそれで慣れてしまい、この娘も主人公のことを「おにいちゃん」と呼んでくる。ツインテールのロリキャラ。猫っ口。よくしゃべるうるさいキャラだが、たまに舌っ足らずになるのが良い感じ。
 いきなり電柱にうぐぅタックルをかましつつ、「電柱がぶつかってきたですよ」と逆ギレするほど沸点が低いテンパリキャラだが、意外にも学校の成績は優秀。基本的にボケ役なので霞との会話は堂々巡りの無限回廊。「くきゅう」「くきゅくきゅ」と言う謎な口癖がある。フルボイスなので妖しさ倍増(笑)
 むぅ……結構嫌いじゃない……(ぉ
 悠歌、登場。
 霞より長い髪の持ち主。どのぐらい長いかと言えば歌舞伎役者の3倍ぐらいと言えば適切か。タレ目でおっとり系の先輩。
 登場時から危なそうな視線で謎な歌を口ずさんでいる、超電波系。そして、巫女部部長。何をして部活動なのかは解からないが……(笑)
 主人公のことを好きで「主人公だけのものにして欲しい」と思い、「奴隷にして?」と言う霞。その気持ちはバカだからという一言で解からないでもないが、首輪を自ら買ってきて、自分の首に付けてはしゃぐ霞を見ていると怖くなってくるのは俺だけですか? 違うよね?(泣)
 ってーか、マジ怖いよ?
 霞を始めとして、みらスキには妙に電波系のキャラが多い。キャラ紹介が終わったらキャラの印象を付けるためなのかどうかは知らないがブッ飛ばして逝く。ハイピッチで壊れるキャラ。
 ってーか、マジ怖いよ?(←ちょっと嬉しそう)
 淡々と日々は進む。
 とりあえず最もヒロインしている霞エンドを目指して……。つーか懸念通りに惹かれるキャラがいない……。
 とにかく、えちぃシーンは毎日あるものの、特に面白いイベントも無く進む日常が辛い。センスオフが10クリックで終わるえちぃシーンだからと言って、力を入れすぎたんだろうか?(ぉ
 でもセンスオフも、ラストにならないと物語が動かなかったからなぁ……。我慢して進めよう。
 彩子さん、登場。
 椎奈の母でおっとりまったり系のキャラ。髪はロングで椎奈と同じく金髪。椎奈曰く「悪魔のような母」らしいが……。
 キャラ的に悪くないが、設定的に無理っぽい位置にいるなぁ……(笑)
> 「絵に描いたような青春さんですね。ていうか、よく判んないですぅ。」
 ……萌え。
 ア、アカン。センスオフでは椎子ちゃん萌えの俺に、みらキスでは椎奈ちゃんなのか。俺の魂が炉心融解していく……(謎)
 そして……霞エンド。
 特に差し当たっての感想が出ない。まさにアザーワイズがこのゲームのジャンルとして公言している「ゲームジャンル:幼馴染みの従妹といちゃいちゃごろごろするゲーム」だ。それ以外は何も無い。拍子抜け。
 ……踏んぢゃったかなぁ……?

式子シナリオ

 次は式子エンドを目指して行こう。
 惜しげもなく電波発射しまくっている他の攻略対象の3人から比べれば幾分マシな程度であるものの、難解な単語の羅列で心のままに自分を表現する式子もかなり電波系。藤原氏とかの家系図見てると落ち着くとか言っちゃってるしな……(笑)
 しかも、怜悧系のメガネっ娘。俺が惹かれる要素もないので、サクッと終わるだろ……。
 相変わらず、毎日のようにえちぃシーンがある。前半はストーリーの流れで霞と、後半はシナリオ分岐後で式子と毎日頑張る主人公。……こうやって一文にすると主人公のダメッぷりが解かって頂けるかと思うが、どうか?
 誘われるままに堕落する主人公。エロゲーとしてはそれで正解なんだろうけど、人として見ていて辛い。
 来たね……アザーワイズの論理的恋愛解釈の断片が。エンディング~エピローグは理解可能なレベルではあるものの意味不明。式子らしいと言えばそうなのだし、近代学問が発展してきた経緯は式子が言う「それ」が根底にあると言って良いのだが、俺から言わせて貰えば原始的衝動を深く考えるな、と。理解出来る感情の動きではなく、衝動なのだろう?

悠歌シナリオ

 次は電波な先輩、悠歌を攻略。
 かなり危険な部類に属する天然さん。クレヨンの匂いが好きだと言ってしかも色によって違う匂いがするとか……あかん、危険過ぎる。
 凄まじい髪の量だ。時には歌舞伎のように、時には滝のように、時には翼のように、時には……って、あまり良い表現が出来ませんが。
 でも、神社の娘で確実に真性で神聖なる巫女さん。どうなりますやら。
 あぁ……懐かしいね。こんなに屈辱的な衝撃を受けたのは久しぶりだよ……。そう、レイニーブルーの碧以来かな。いきなりガッつくなよ……(泣)
 シナリオ的には、式子シナリオのさらに上を行く主人公のダメッぷり。霞→式子→悠歌と流れ染まっていく主人公を見ていると悲しくさえなる。
 霞シナリオでは霞が主人公の奴隷だったが、悠歌シナリオでは主人公が悠歌の奴隷っぽ……こんな電波ダダ漏れバリ受信の娘に奴隷扱いされている主人公にも悲しくなる。
 「空に答えは無い。」とか、「空の話はしたくなかった。」とか、「『この程度だったら問題無いのに……』その空を見上げながら~~」とか、、何かAIRに対する挑戦としか思えないような唐突な言葉遣いが……センスオフでAIRの出鼻を挫いて、みらキスでまた攻撃するのか? って言うか同じビジュアルアーツ系列っちゃうんか……(笑)
 また来たよ……アザーワイズの論理的恋愛解釈が。悠歌エンドはなかなか興味深い。悠歌エンドで語られる「その」解釈は俺もまたそう思うことが多々あるからだ。しかし、そうならない事にもどかしく感じることも多々ある。「それ」こそが君が望む永遠であるし、しかし「それ」はアンビバレンツだと言えばそうなる。しかし、俺はこう考える。定点を持たない経過にこそ意味があるのであって、曖昧なまま境界線を引けないのが当たり前。理解とか共有とか言う言葉があっても、それが全ての事象に当てはまる言葉とは限らない。それが生きている心なのだ、と。
 つまり、悠歌エンドには甚く共感。キャラ的にはまったく惹かれないが(ぉ

椎奈シナリオ

 さて、最後のとっておき、椎奈ちゃんを攻略。
 やたらめったら良くしゃべる子で、かなり刺々しい電波を突き立てるタイプだが、かなり嫌いじゃない……。
 何が嫌いじゃないって、舌っ足らずなボイスで「くきゅー(ニタリ)」と妖しく笑うあたりが見ていて憎めない。学校の成績は優秀らしいが、あまり明晰ってわけでもないし、すぐにヘコむし(笑)
 やっぱり俺って電波好きなのかなぁ……自分ではそうでもないと思ってるんだけど、椎奈ちゃん見てると和むんだよなぁ……自信無くすなぁ。
 椎奈と川原でタニシを捕まえて遊ぶ。翌日、それがデートだったとか言われてショッキング。
 椎奈の母親、彩子さん……なにか、秋子さん(Kanon)のような絶対的なものをヒシヒシと感じる……。ってか、この人攻略したいなぁ(ぉ
 おっと、やっとシナリオに入ってきたかな。彩子さんから語られ始める椎奈の過去。って、あのタニシまで伏線になってやがるッ!?
 センスオフといい、今回のみらキスといい、何かタニシに思い入れがあるんだろうかアザーワイズ……(笑)
> 「それはちょっと困るですよーとか思ってたですけど、それはそれでいいかもとか思ったりして、我ながらてんやわんやだったですよ」
 ……。
 …………(激萌)
 ……。
 ……え? 萌えるトコっちゃうん!?(驚愕)
 いや、しかしこのセリフ……かなりの大ヒットだぜ? っつーか、ツボ?
 エンディング~エピローグは……アカン!? 空振りや!?
 素材は……いや設定的にはかなり面白いものなのだが、それが活かされていない。活かされていないこと自体がアザーワイズの狙いだったようにも思うし、その設定を覆すことが椎奈エンドだったはずだが、今一つ消化不良。もっと言いたいことがあったはずなのに、彩子さんというキャラをこれ以上壊すことが躊躇われたのか、説得力不足。惜しい、惜しすぎる。
 つまり、キャラ的には惹かれるものの、椎奈エンドはあまり評価できず。
 ……またAIRに挑戦ですか?(謎)

隠しシナリオ

 さて、メインの4人を終了させると隠しシナリオが選択できるようになる。
 おそらくは霞エンドの後日談みたいな展開である。しかし、式子が動き出すッ。霞とのガチンコッ……ようやくこの主人公が試されるときが来たね……選択肢なんて出ないんだけどね(笑)
 慧子ちゃん、登場。
 この名前を見てピンと来た人……想像通りです。大正解なのです。
 礼儀正しいショートカットの小学生。……無理ッス!(テンパリ気味) 主人公とは、幼少の頃に見たことがある程度の遠い親戚の子。親に急用が出来たので霞の家で3~4日預かることになったという。
 慧子ちゃんの次なる世界を知っているだけに、無邪気に冷静に好奇心旺盛に礼儀正しく提案と影響を持って動き回る慧子ちゃんを見ていると、ひたすらに痛い……。
 このラストエピソードのシナリオは、全キャラのシナリオを総括的に統合したものとなっている。簡単に言うとニュータイプ理論とでも言うのか……今までの「それ」は現実からのフィードバックによって培われてきたものであり、空想的なものがあったとしても「それ」には外界に与える影響力が少ないとでも言わんばかりの論説が繰り広げられる。まぁ、その点に関しては大いに頷く。俺も実際にそう思っているからね。しかし、今まさに「それ」は新たな世界観・価値観を持って世界と人を改革していけるものだと、最後の最後でストレートに語られる。
 ようするにアレだ。九品仏大志だ(違)
 この「未来にキスを」は、どのシナリオに共鳴を受けるかによって「それ」に何を求めているかがズバリ解かってしまう、一種の診断機のような、篩いのようなゲームシナリオだ。恐らくは誰もが理解していない自分の、このゲームによって解ける謎もあるだろう……そして、未来にキスを。
 俺個人は「それ」を受け入れることもするし、また旧い人間であることも辞めていない。ってか辞めたらツマンナイし(謎)

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