2002-09-06

それは舞い散る桜のように


 やたら長い体験版の発表以来、多くのファンを取り付けたバジルの作品。体験版で楽しませて製品を買わせると言う売り方がどうやら流行している模様。作品の魅力さえ知ってもらえばコレクター魂を持つユーザー層から考えて「製品を買う」わけなんだろうなぁ。
 公式WEBでは、春のKanonみたいなシナリオ導入と、18人ものキャラ紹介などがある。まー、どう考えても攻略出来なさそうなキャラが大多数だけど(笑)
 通称・略称は色々あるようだが、俺の周りでは「それ散る」で定着している。

ファーストプレイ

 シナリオの舞台は桜坂。
 はじまりは桜咲き乱れる春の季節。
 希望、登場。
 名前の読みはノゾミと言う。
 黒髪ロングなんだかポニーなんだか微妙な所だ。しかしまー、久々に「学園のアイドル」なんて古風な肩書きを持つキャラクターが登場したものだ。
 青葉、登場。
 主人公が住むアパートの隣室に住む女の子。朝起こしてくれて、主人公のことを「おにいちゃん」と呼ぶ、まぁそんなキャラだ。髪型はショートカットで頭にリボンを乗せている。
 主人公の2歳年下で、中学3年生。基本的には父親との2人暮しで、家事全般を担当している。……。
 小町、登場。
 セミロングで横髪を束ねていたりする(←妥協表現) 横っポニ(←苦しまぎれ)
 ころころと明るい笑顔の幼馴染みで1歳年下。主人公を追いかけて桜坂まで……と言うか同じアパートまでやってきた。もちろん同じ高校に通うことに。
 かなり危険な部類のストーカー(ぉ
 つばさ、登場。
 見知ったクラスメイト……ぐらいの距離感だろうか。外ハネのショートカットで、ややツリ目で、やや小柄な体格。なんだかつれない性格である。
 主人公はクラスの委員長、つばさは副委員長だったりするのでヨロシクやっていかなければならないようである。
 こだま、登場。
 図書室で、上の段の本が取れないでオロオロしている所で出会う、チビッコな先輩。そう、1歳年上の3年生。
 ボブカットの髪型で小動物系の性格をしているわりに、子ども扱いすると怒る。
 テキストは簡単に言うと「秋桜の空に」系の面白さ。
 破天荒な勢いでもって笑わせる、文字となって初めて面白いタイプ。いや、大好きだけど。何度か爆笑させられたし。
 しかし……。
 ファーストプレイ日記では、シナリオとイベントには触れずにおこう。
 だって、すげぇバットエンドっぽいんだもん(笑)
 ちなみに、希望シナリオのようだ。
 えちぃシーン3回もあって、バッドエンド直行ってのがちょっと納得行きませんな(ぉ

こだまシナリオ

 ファーストプレイでは、最も好感触のこだま先輩ルートから目指そう。
 桜坂学園3年生で、主人公の1歳年上。
 しかし、声や身長など、どこから見ても年下にしか見えない。性格も、説教癖があるが押しが弱いので控えめ。
 そんな、優しさ溢れる先輩だ(←ぉ
 ……いや、どうしてこだまにしようかと思ったかと言うと、途中で髪を切るからだ。
 乙女がバッサリ髪を切る……ワケ有りだ。
 もう気になって仕方が無いですよ。
 さて、無茶苦茶な主人公に振り回されるこだま。
 微妙に萌える。
 いや、展開的には結構萌える系統なんだけど、やっぱりその食い倒れ人形みたいな制服じゃ(以下略)
 だから、こだま先輩が私服の時は、安堵と息と共に安心して萌えられるわけだ(ぉ
 ワンピース万歳。
 しかし長い。シナリオが。
 冗長と言うわけではないが、1~6日周期でほぼ1年分ある。とらハ2並みに。
 友人の山彦に「恋愛否定組」と言われる主人公。
 何をそんなに恐れるのか。
 別れが怖いのは、出会いの楽しさを知っていないからなのか。若い。
 1周目のバッドエンドですげぇ納得行かなかった部分が、すげぇ納得行かないまま流される……。
 なんだこりゃ……(笑)
 結局、切った髪の理由も憶測に過ぎない程度しか解からないし、子供たちは存在意義がいまいち不明瞭だし、核心の桜香たちに至っては蚊ほどにも解からずじまい。
 児童文学から文学の歴史についてまで高説を垂れるぐらいなんだから凄ェ期待してたのに、なんだそりゃ。まさに有名無実。納得の理論はあっても、それを実行できなかったと言うやつですか。
 ただキャラクターがいて、楽しい日常があって、ちょっとした変化がある。……1シナリオやってみて、それしか浮かばなかった。
 まぁ、俺の読解力が足りないのかも知れないがな。
 うむぅ……。
 テキスト自体は面白いゲームではあるのだが、これはちょっと……(笑)
 一つだけ言っておこう。
 イカロスのロウの翼が熔けてしまう物語が悲しいのは、「ロウが熱で溶けてしまう」と言う確固たる推測可能な理由があるから、である。
 とりあえず、この謎を解かないことにはシナリオに入り込めないよ……。
 一番核心に近そうなのは……かぐらか小町のような気がするが。はてさて。

小町シナリオ

 では、ストーリーの核心に近そうな雪村小町ルートを目指そう。
 セミロングの髪型で、1歳年下の幼馴染み。意外とナイスバディ。奇天烈な主人公の幼馴染みとして鍛えられただけあってノリも愛想も良いが、下ネタは苦手。
 ……って言うか、ストーカー。雪村小町を表現する単語としてこれ以上無いほど当てはまる単語はそうそう無いだろう。
 しかし、とらハの同志であるA氏が「とらハ3やらなくていい。小町はグッときた。」とまで言ってくるのだ。そりゃあもう期待しないわけにはいきますまい。
 登場キャラクターは公式WEBを見てもらえば解かるように、この手のゲームにしては18人と非常に多い。
 ちびキャラなんかはあまり見分けが付かないぐらいのキャラクター性なのだが、男性キャラのアクは異様に強い。山彦、麦兵衛、谷河の3人無くしては「それ散る」を語れないレベルのものだ。
 そしてそれらの友人を凌駕する主人公のむちゃくちゃな言動。
 そう、女性キャラがキャラクター性の上で食われ過ぎてる。主人公コピーのようにはちゃめちゃな言動をする小町でも食われていると感じる。
 シナリオライターからして恋愛否定組なんじゃないかって(以下略)
 だって、えちぃシーンなんて描写ほとんど無しの音声だけで終わって(以下削除)
 ……。
 結局、小町はストーカーのままシナリオが終わってしまいました……(笑)
 いやマジで、どう評価すればいいんだ。
「アンタ、幼少回顧時のちび小町にグッときただけなんじゃないのかコノヤロウ」と、A氏に問い詰めたい。

つばさシナリオ

 では、主人公が恋愛否定組なら、このつばさも恋愛否定組のような気配を見せているつばさルートに入ろう。
 本当はかぐらルートを目指すつもりだったんだが、そもそもかぐらルートは無いとの助言を受けたので、つばさに変更。
 青葉があるなら、かぐらは合っても良いと思うんだけどなぁ……。
 こ、こいつぁなかなか……。
 つばさシナリオはなかなか感情の動き方が面白い。
 まぁ、このシナリオでもこだまシナリオや小町シナリオと同じくシナリオの核が解からないから感動なんか微塵も無いけどな……(ぉ
性格的にはつれない感じなので、あまりツボじゃないのだが、なかなかどうして……(謎)
 しかし微妙につばさにハマりきれない俺がいる。
 何故なんだろう。
 もどかしいシナリオを楽しんでいるはずなのに。
 ……。
 いや原因は解かってるけどね。
 だって、つばさの妹である郁奈ちゃんが可愛過ぎなんだもん(ぉ
 ペ、ペドじゃありませんよ?
 ……ほ、ほんとうだよ?

青葉シナリオ

 さて、お楽しみに取って置いた青葉ちゃんルートを目指そう。
 これまでの日記を読み直してみると、なんだかゲームを楽しめていないようではないか……。
 俺はそれ散るに……負けた?
 ばっ……ぷじゃけるなよ。俺は問答無用の小●生ゲーC2Uや、ダメゲの総結晶体ひなおかや、純正女子向けゲーときメモGSですら、その真価と楽しみを見いだして、今川氏真の蹴鞠よりも優雅に遊ぶゲーマーの鏡だぞ。どうして、それ散る如きに屈しねばならんのだ。最強装備フルパーティのレベル99の勇者様御一行がスライム1匹を昇天させるより朝飯前だってーの。逝くぞ、俺がその生き様を見せてやる。蝶のように舞い蜂のように刺す流麗なゲーマーっぷりに見惚れてしまうが良いわ。
 と、それ散る風に気合を入れたところで、レッツゴー。
 つーか真似やすい主人公だよな、さくっち。キャラ立ちすぎ。
 主人公(一人暮らし)が住むアパートのお隣さんの女の子。主人公の2歳年下で、中学3年生。父1人娘1人で生活する森家の家事全般を担当する。と言うかあまり父親は家には戻らないようだ。
 性格は純真無垢の天真爛漫で、江戸っ子気質な父親の影響でたまに「てやんでぇだよ」などと間違い気味の日本語を話し、男の裸に免疫がある。と言うか抵抗が無い。天真爛漫。
 主人公のことを「お兄ちゃん」と呼んで慕っており、自分の父親のことも好きなのだが父親は家を長期で留守にしがちなので、1人暮らしの主人公の朝起こしに来たり夕食に誘いに来たりとサミシガーリの片鱗。
 ここまで条件が揃っていながらトドメと言わんばかりにショートカットの髪型に可愛らしいリボン、と。俺にこのキャラを見送れって言うほうが無理な話で、あとはどれぐらい飛ぶのかのホームラン競争になるのは必定と言わざるを得ないキャラクター設定の持ち主。
 ゲーム中はそらもう激しく萌えさせて頂きましたな。
 主人公と違う学校へ行っているので食い倒れ制服とは違うのがぃよしッッ!
 と言うか、青葉ちゃんの通う学校の夏季制服やぃぃよしッッ!
 もちろん、ひらひらワンピースな普段着(夏)もぃぃぃよしッッ!!
 ……パジャマで添い寝の、あの無防備に見えて隙の無い姿勢は反則だよなぁ……。
 あと、青葉ちゃんが無垢性を発揮するたびに汚れ役になっていく雪村(下ネタ苦手)には、ちとワロタ(ぉ
 けど……エンディングキャラも4人目なのに、物語の核心がさっぱり解からねぇ……。
 エンディングCGは、なんだかMy Graduation(PCこみパの千紗ED)を彷彿させる良い感じの笑顔だったのだが、そんな食い倒れ人形みた(以下略)

希望シナリオ

 聞くところによると、ひかり姐さんにもシナリオは無いらしいので、これで最後さそれ散る日記。
 名前はノゾミと読み、クラスメイトたるつばさはゾンミという愛称でお呼びになる。
 明るい性格と整った顔立ち、綺麗な黒髪ロング、スタイルの良さから、桜坂学園のアイドル状態である希望。ただし、本人はそんな自覚無し。
 まぁ、メインヒロインだけあってシナリオは他のキャラとは少し違うのぅ……解かりやすいところで言えば、シナリオ分岐の目安になるだろう6月後半の相合傘イベントである。
 と言うか、ファーストプレイで希望ルートに入ってしまったのでシナリオの新鮮さは薄い。
 しかしながらこのテキスト……2周目のほうが面白い。不思議。でも、全キャラもう1周やりたいって言ったらまた「そんなんせんでいいわ、ヴォケ。とっとと積み崩せ。」とか言われるんだろうなぁ……(笑)
 希望は、他のキャラよりも特徴的なセリフが多く、繰り返し使われる。まぁ、簡単に言えば「うぐぅ」みたいな口癖のことなんだが。
その希望の口癖の一つ、「てれりこ」の威力は強烈……。
 この俺がメインヒロインで黒髪ロングのキャラに萌えてしまうほどなのだから、その破壊力や推して知るべし。
 ……まぁ、シナリオについてはもはや何も言うまい……(笑)

総括

 プレイ中は笑ってテキストを読める、間違い無い。その点においては褒めていい。
 しかしラスト付近。俺を泣かせたいのか笑わせたいのかハッキリしてくれ(ぉ
 CGは特に問題無いが、2種のウエイトレスと学校の制服はどうかと思う。私服はかなりオッケィ。
 音楽は特に印象的なものは無かったが、SEが効果的。
 システムは良く出来ている。優秀な部類だと思う。
 プレイ後に「面白かったか?」と聞かれると、「いや、そんなに」と答えざるを得ない、そんな作品でした。

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