2003-11-10

Cross Channel


 突如として塾長、ナスティ・ボーイ、声のソムリエ先生と言う3強からのご推薦を受けてしまった作品。3人揃って2003年ベストゲーはコレと言わしめるその実力やいかに。
 積みゲーブチ抜き優先作品ロット1。クロス・チャンネルにズーム・イン!
 略称は特に無いようだ。プログラムは頭文字をとってCCとなっているが「しーしー」と言うと何か違うので言ってはいけない。

ファーストプレイ

 公式サイトからも解かるように、印象は非常に薄味。
 このフライングシャインというブランドだが、どこかで聞いた名前だと思いきや、ぼくらがここにいるふしぎやこのはちゃれんじ!を作っていたブランドと同じ名前なんだが、何か繋がりがあるのだろうか。新規ブランドらしいが……。
 まぁ、俺は昔の事は気にしないのでサクッと流しましょう。
 そうそう、サクッとインスコ。スパッと起動。
 冬子、登場。
 名前から僕夏を思い出してしまったが、あらあらまぁまぁ、服はひらひらとして良かばってん(マテ
 しかし性格がかなり悪。高圧的。ロングの髪にキツネ目。
 無理。
 七香、登場。
 マウンテンバイクに跨って左斜め45度からのスナイパーショット。さすが塾長。
 茶髪のショートカットに、馴れ馴れしくも勝気な性格が見え隠れ。悪くない。
 まだ登場人物は2人しか出てきていないが、この辺りで「あー、このテキストはヤバいわ」と思うようになる。不気味な模様の交通標識とかは無視。さすが、漢塾塾生たちが認めるゲームソフトである。ゆったりと流れるピアノBGMに、調子に乗ったSEも素晴らしい。
 あと、七香の言った、困ったことがあったら行くほこらで、ドラゴンクエストとか考えた人は一般人です。下級生とか考えた人は悔い改めましょう。
 見里、登場。
 主人公の先輩にあたり、所属する部活の部長さんでもある。やや可憐チックな髪型のメガネっ娘。
 物腰柔らかく、マナマナのように柔軟な対応を見せる。
 普通に考えると無理なのだが……。
 美希、登場。
 主人公の1年後輩。セミロングの軽いウェーブヘアーで、明るくよくしゃべる。ファーストインプレッションからして「胸が薄い」と連呼されること、実に4回。IME学習機能のように連呼することで美希のキャラ印象順位の最優先事項へと昇華する。小賢しい。実に小賢しい。クククク(マテ
 しかも、どうやらミニスカートが大好きでいつも履いているらしい。ニッポンの未来は明るい!!(ぉ
 遊紗、登場。
 名前はユサと読む。ショートボブに白いカチューシャの女の子。ですーですーと。
 どうやら中等部らしいので(主人公は高等部)、打つ機会は無いようである。危なかったと言わざるを得まい……って、え?
> この駄目な単語の並び方が、俺をたやすく狂わせる。
 主人公はどうしようも無く若く、どうしようも無く妄想癖で、どうしようも無くエロい。
 発見、即、下ネタ。
 紳士たるこの俺(ぉ)とは、水と油のように相反するものだと思っていたが、この瞬間の俺と主人公は、界面活性剤を潤沢に混入され、いとも容易くフュージョンしてしまっていた。
 後の展開に対する俺の科学的反応、及び、非科学的反応は推して知るべし。
 霧、登場。
 主人公の1年後輩で、美希と同級生の友達。ショートカットの大人しい性格のようだが、キレ長の瞳はキツい性格を思わせる。
 と言うか、主人公はいきなり嫌われているらしく、つんけんと言うより刺々しい。
 ……何か?(ぉぉぉ
 話の節々で、不自然……と言うほどではないのだが、舞台と効果を曖昧なまま突き進める描写が。実に「ぼくここ。」テイスト。しかしてそこはそれ。あっけらかんと吹き飛ばす鋭いテキストが織り込まれている。久々に爆笑の渦。
 美希の私服シーンはまだかまだかと心待ちにしている所に、皆で海へGOGOGO。キタキタキター! レッツ・エンジョーイ・イン・ビーチ・パラソォ(最後だけマイコー調に)
 間違い無い。いやもー、間違い無いね。美希ぽんと空を飛びます!(謎)
 曜子、登場。
 口数少ない黒髪ロングの女の子。どうも、人間嫌いらしいが、主人公の言うことだけは全て聞く。殆ど登場しない曜子だが、各登場人物たちの人望は熱いようだ。特に冬子。
 まー、打てないコースなんだが、どうだかなぁ。
 印象的なムービーシーンが入り、しばし、ぽかーん……。ムッキーマッチョな体育教師(犯罪系)や、賑わう学食(お笑い系)、初見から無二の戦友(病弱系)などは……どうすればいいんだ。つーか、地味めの後輩(ファイナル・アンサーの可能性という希望)ってかなり期待していたんですが、どうすればいいんだ。
 あれか。
 俺が感じている感情は、物理的に哲学的な精神的疾患の一種なのか。
 ぐぁ……ッッ!!(大震撼)
 何故だ! どうしてこの俺様が冬子とバカップル爆誕などとのたまわねばならんのだ。
 神はこの俺に七難 hack を与えたもうたか!(的確)
 嫌だ。嫌過ぎる。この主人公は、冬子に過剰なボケ(一般的にはセクハラと言う)に対する、キビしい突っ込み(正拳)を求めまくるのは、アレか。主人公はMなのか。そうなのかそうなのか。
 はっ……!!(手に汗)
 ナスティ・ボーイや声のソムリエ先生がお薦めする所以はココにあるのか!?(今更気付いたかと言わんばかりの、彼らの冷笑を思い浮かべて愕然)
 ……_| ̄|○
 なるほど、時間軸は気持ち良く進んでいるわけでは無い。何かに似ているかと思えば sence off か。しかし、机上物理学や前衛的哲学や恋愛心理学は始まらない。ただひたすらに、笑いの道を究めんとす。
 リピート。ローテショナル・ディレイ・イズ・ハァハァ(謎)
 ぐぁ……ッッ!!(大震撼)
 霧が動く。
 物語は収束しない。循環する日常。それは Prismaticallization でも味わった。
 しかし何かが違う。テキストは確かに違う。
 テキストテンポが悪くなった気はしない。むしろ加速。
 しかし霧である。苦悩する。苦労する。クロースる(マテ
 いやほんとに待て。俺は真面目に考えているつもり。絶対的に何かが違うのだ。
 前述の sence off や Prismaticallization との違いは、循環を定義する枠が違うのだ。Prismaticallization は自己への循環認識。これは主に主人公が、である。sence off はゲームの特徴ともなっている認識力学という設定。舞台は言わずもがな。未来にキスをも対象への循環認識がポイントになっていたりする。
 とまぁ、シナリオには興味深く熱中できるのだが、何故だ。どうして霧なのだ(やはり帰結する思考循環)
> しかも精神的に虐げられたせいで、ギンギンになっているではないか。
 ナスティ・ボーイや声のソムリエ先生がお薦めする所以はココにあるのか!?(さらなる深淵が待ち受けている明日に希望の光を見ることが出来ず愕然)
 ……_| ̄|○
 ……またなんか俺が凄く嫌う系のものが爆誕してるし……。
 リピーツ。ローテショナル・ディレイ……。
 ぐぁ……ッッ!!(大震撼)
 美希美希のシナリオへの突入する選択肢が登場したかと思えば……メイド・イン・主人公、爆誕(ぁ
 ナスティ・ボーイや声のソムリエ先生がお薦めする所以はココにあるのか!?(巡る季節に重々しい何かが迫り来ることを第6感が感じとり愕然)
 ……_| ̄|○
 サークレイトしてからその役は誰かが当たるだろうと思っていた。だが、そりゃないぜお兄さん……。
 イクない。劇的にイクない。ファントムはファントムであるべきなのだ。逆もまた然り。ギャップ? あり得ないあり得ないあり得ない。弱すぎるっ……。
 探し物は何ですか。見つけにくいものですか。鞄の中も、机の中も、探したけれど見つからないのに。まだまだ探す気ですか。それより僕と……良い週末を。
 サークレイト。
 曜子の番か。
 理系の俺には楽しい仮定。だけど証明することは無い。こんな状態でシナリオが終わるはずもなく。つーか、コイツはいけ好かん……。目的意識が不明瞭。人として求める答えを求めていない。義と和の心が無い。
 惨劇の元にサークレイト。
 七香が動く。
 どうして歩いてきたって、そこに道があるから。矛盾に満ちた今を繰り返しているわけでも、人智を超える領域で干渉するわけでもない。ただ、そこに道があったから。
 そしてまた、七香に道を提示される。
 拒否権は無く、別の示唆も無く、審判は下される。
 見た事の無い選択肢を選ぶ。サークレイトウィークは、主人公が知覚することで大きく変わった。
 変わったんだが、俺、まだメガネ部長とか心無い姫を攻略してないけどいいのかな……。まぁ、心残りは無いけどNE!(てひ☆)
 つか、最後の最後で美味しいセリフを残しながら、親友(ダチ)が飛んだ。
 なるほど──異界送り。FF10にあったアレだ。
 8人とされる登場人物。攻略ルートに到達していない罪滅ぼしの為に、屋上へ。
 こんな状況でもAV男優も腰を抜かす主人公に脱帽。
 見里先輩のシナリオに触れてしまって、迂闊にもホロリと来る俺。
 さて、次は霧がいい。小人数になると危険因子は手に負えなくなってくる。分母が支えきれないのだ。そう言った意味では、真っ先に曜子を飛ばしたいのであるが、あいにくそれらしい選択肢が無い。
 と思ったらクリックミスって冬子が飛ぶ(ぉぉぉ
 前半ではあれだけエロエロ本能剥き出し触ればいつでも飛び出すよみたいな尖っていた主人公が、我慢の子。見るに耐えない。
最後はどうか──幸せな記憶を。
 残る選択肢はフラワーズか……。ちょっと鬱。
 ちょっと腑に落ちない落ち方をしたものの、どうでもいいので異界へ送る。
 フラワーズはフラワーズではなく、単体で送るものらしい。
 美希ぽんとのダメっぷりにオゥ、シット! などと言いながらガッツポーズをしている俺は本能と煩悩には逆らわない方向で。
 さて、残しますは曜…マナマナ到来。
 ……_| ̄|○
 ナスティ・ボーイや声のソムリエ先生がお薦めする所以はココにあるのか!?(ただひたすら、彼らの純然たるM性に愕然)
 ……。
 ……。
 ……スキップして、いい?(ぉぉぉぉ
 俺にあのセリフを言わせたいのだね……あの、Prismaticallization の名言を。
> 以降、約30分程度に渡り、読むだけの進行となります。ご了承ください。
 と言うか、お察しください。無理です。
 時は満ちて、続いてしまうサークレイト。
 まさに無の境地で無理矢理修行をする主人公。そして突然悟りは開け、「汝、隣人を愛せよ」と優しくのたまうようになる……(色々と言いたい事はあるが、ネタバレなのでお察し下さい)
 ラストだけが納得いきません。
 大団円にしろって訳じゃないけど、ちゃんと物語を閉じて欲しかった。物語の末が浮いた感じで終わってる。ハネるかオトすかして欲しかった。結局、悟りを開いちゃって終わりなんだろうか。前半の美希編で曜子が手違いを起こしたように、万に一つが無いわけでもない。「祠が無くなっていた」(CGではちゃんとあるんだけど)と言っていたが、もともと祠ってのも人の手で作られたもので、その付近に発生する超自然現象には関係が無い。むしろその超自然現象に対する人為的な後付けの祠、と考えるのが自然だ。なのにどうして祠が無くなった程度で諦める。特殊な認識視力は「徐々に薄らいでいく」のであって、可能性がゼロとは言えないんじゃないか。人は一人じゃ生きて行けねぇ。そりゃ当たり前だ。ならば人らしく、人間らしく、生きているモノとして、足掻くのが普通じゃないんだろうか。偉い修行僧やイエス様のようになって終わり、ってのがなんとも納得行かなかった。
 そもそも主人公に自給自足能力があるとはあまり思えない。ならば、エピローグの際の「5回か6回目の放送」と言っている主人公の世界では、世界がサークレイトして主人公はパンとかジャガイモとかを食べているに違いない。だが、世界がサークレイトしているわりには主人公の記憶は持続している。「5回か6回目の放送」と言っているからだ。不思議だ。不思議すぎる。逆にサークレイトしていない世界に変革してしまっていたとしたら……主人公は霞でも食べて、やはり仙人のように神格化していると言わざるを得ない。ここが思いっきり引っかかってエピローグが納得出来なかった。

総括

 さて、総評。
 シナリオ大絶賛。特に、前半のシナリオ展開とオチ、伏線、ギャグとどれを取っても一級品。それ故に止め所が無い。まっこともって社会人泣かせのゲームであると言える。
 CGはかなり良ろしいんじゃないかな、と。たまに肩幅とかハッスルしちゃいますが、全体的に線が細いのでわりかしアリの方向で。ただ、俺的にはどうして美希の私服姿が無いんだ! と声を大にして言いたい。
 音楽は実に効果的。BGMは今年プレイしたゲームでもなかなか効果的に使われている。但し、デフォルトでは音量が控えめすぎるのと、テーマ曲が印象にまったく残らない。
 システムは無問題。攻略とか見ないでも解ける仕様はシナリオとうまく融合しているが、逆に言うとこれも止め所が無くなってしまって社会人泣かせな罪なシステムと言える。
 総じて、万人にお薦めとは言えないが、この業界に片足でも突っ込んでいるならプレイしておくべきゲームだろう。

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