2004-10-27

CLANNAD


 全てのパソコンユーザーに……。
 発表から追いかけていたソフトが今、発売された。「2003年春発売予定」とかラジオCMで言っていたような気がするがきっと空耳なんだろう。去年はさんざん放置プレイしていたクセに、2月頃にテンションが上がったと思ったら発売日決定って、お前らホントにクリエイターらしいクリエイターだなこの野郎。
 店頭に並んでいるソフトパッケージ。ディスプレイにはデモが延々と垂れ流されている。
 ああ……。
 春、だな。
 でも渚タンが手袋をして寒そうにしているのは気のせいなんだろうか。すぐに暖めてあげねば。

ファーストプレイ

 すぐに暖めてあげねば。さっそくインストール。
 DVDメディアだが、ボイスは入っていないらしい。その割りに2GBもHDDを使用する。やっちゃったね。フルインストールすればDVDは必要無いし、BGMや画像データをHDDに入れなければたった10MBBで済んでしまうこの不思議。
 すぐさま、ボイス有りPS2版、ボイス有りPC版、えちぃ有りPC版とかが怒涛の展開を見せるのだろうか。
> 一面、白い世界…
> そこには同じように立ち尽くす女生徒がいた。
 _| ̄|○
 デジャヴ。しかし、それは一瞬。絵がKanonより下手になっているんじゃないかとそんなことは錯覚だ。
> 「この学校は好きですか?」
 BGMが強いな……。
 音楽の押しが強い。幻想的で神々しさがよく出されている。ただし、それが現実的な痛みにマッチするかどうかは解からない。まだ、プロローグだしな。
 現実的な痛み。
 いきなり、主人公の育成環境が発覚。性格を掴む前から、なかなか痛々しい。イテテ……(ぁ
 春原陽平、登場。
 懐かし……この強引なやりとりが懐かしい。きたきた、クラナド 春の電波祭り(ヤ○ザキ 春のパン祭り風に)。
 毎日遅刻をしている不良学生の主人公と並んで不良学生とされている主人公が唯一気を許す友人。
> 「あの…」
 藤林椋、登場。
 主人公のクラスの委員長。おかっぱの髪型に白いリボン。ヨッシャアァァァ。
 かなり気弱そうだが、どうだろう。まぁ、どこにでもいる感じがするか。姉が居るらしい。
> 「はしっこの方が、おいしいの」
 一ノ瀬ことみ、登場。
 紙きれを持ってそんな事をのたまうとは、いきなり電波強めですね。
 いや、まぁ、KEY……?(ぇ
 ~~なの、というのが口癖らしい。
 ぼんぼりリボンのツインテール娘。
> 「こらぁぁぁぁーーーー!!」
 相楽美佐枝、登場。
 ジーンズにエプロンという地味に活動的な服装の女性。春原が住む学生寮の寮母をしている。長そうな髪をぐるぐると纏めている。
 打つ打たない以前に、このゲームって喰えないんだったよね……すっかり忘れてたよ……。
 まぁ、喰えないのは別にどうとでもなるから置いておくとして、春原とのやりとりが面白くてたまらない(RR)
 この強引なやり取りで笑えるって、やっぱり俺の基礎はここで培われてきたのかなぁ。
> 「うわっ! なんであんたがいんの?!」
 藤林杏、登場。
 ロングストレートの髪に勝ち気な性格。椋の双子の姉らしい。
 不良と思われている主人公に話し掛けられる数少ない生徒、らしい。
 宮沢有紀寧、登場。
 名前はユキネと読むらしい。ロングの髪のようだがバストアップの立ち絵しか見れなかったのでどこまで長いのかは不明。背は低いようだ。
 愛想良くノリのいい性格。年下の佐祐理さんって感じ。「あははーっ」とは言わないが。
 芳野裕介、登場。
 キザな電気工事屋さん。車を傷付けられたという濡れ衣で男に絡まれている所で出会う。
 あ、男だから。(ぉ
 古河早苗、登場。
 校門で出会った少女の母らしい。性格は子供っぽい。お下げの髪に触覚が3本。これまた極まっているようである。
 ……むぅ?(ぉ
 春原芽衣、登場。
 春原陽平の妹。ぼんぼりツインテールのロリっ娘。
 ……ふーん(ぉぉぉ
 おや。
 おや?
 おやや?
 春原と面白可笑しい毎日を過ごしていったと思ったら、春原と友情を確かめ合って終了。
 「ははは」と口元がニヤリとなってしまう暖かいエンドだったが、正直、KEYがこれで終わるとは思えん……春原エンドのようだが、まぁバッドエンドなんだろう……。
 思えば、AIRの時もバッドエンドにそれほど震撼しなかった。AIRのバッドエンドは空虚な気持ちにさせてくれたが、それはAIRのテーマがそうさせていたのだ。となると、今回のクラナドは「暖かさ」なんだろうか……って、それヤッベ(ぉぉ

椋エンド

 さて、どうしますかね。
 やはり美味しい所を戴いておきますか。モチベーション続かないといけないしな。
 つーわけで、学級委員長の椋タンをお召し上がりすることにします(お召し上がり出来ません)
 安西先生……お召し上がりしたいでつ(*ノノ)
> 杏「好きとか嫌いとか」
 最初に言い出したのは杏なのかしら? 駆け抜けてゆく、私の……フゥ!!!!(あ、ごめ……
 って言うか、こんな核心的で確信的で革新的なセリフは吐かないでいただきたい。思わず踊っちゃう人とか居るから。いや間違い無く居るから(ぇー
 杏に嵌められて、椋と二人で昼食をとることになる。
 学校のお昼休み。二人で前庭でおそろいのお弁当箱。
 杏の話によると、どうやら椋は主人公の事が好きらしい。
 どうやら主人公の事が 好 き ら し い 。
 ヨッシャァァァァァァァ!!
 奥手で恥ずかしがり屋の椋は、ちくいちナイスリアクションを魅せる。
 ヨッシャァァァァァァァ!!
 ごめーん、センターバック! 外野陣、バックシフトして! 凄いの打ち込むからー!(ぉぉ
 えーと……遙?(君望第1章Ver.)
 ヨッシャァァァァァァァ!!
> 「空に星が瞬くように……」
 イッテェェェェェェェェ!!
> 主人公「いや、それよりデートってどこいくんだ?」
 ファーストプレイで見せた春原への助言は見事に忘れているようです。自分の事になると混乱するあたり、初々しくて良いですね。良いでつね(ぁ
 やっべ、超やっべ。照れて鼻先を見つめるその表情ヤッベ。そう、私の根源に根ざす(RR)、SHI-O-RI Style と言うヤツだ。杏? あー、いないものとして考えてますが、何か?(マテ
 らぶらぶぅぅ!!!
 も、チューってか? ええコラ?
 くっは、YABEEEEEEEEEEEEE!!!(病)
 そして、らぶらぶ街道まっしぐらのままはっぴぃえんど……(*ノノ)
 OK……KEYらしくないが、OK。俺は今、満たされている。間違いない。あったけェ……。

杏エンド

 まー、一応アレだし? いっときますか? あーもー、超マンドクセー。
 ごめんごめん。超予想通り。
 だからね、だからね。
 水月ィィィィィィィィィ!(ぉぉ
 俺には……遙を裏切れないんだよ……。そう言う負い目もある。俺の前で誰かが傷付くのは、もう耐えられないんだ!(言い訳師、爆誕)
 えーと、君望2章圧縮版ですか?
 く……バ、バッドエンドっスか……。
 そりゃまぁ、姉妹丼だしな。この主人公の態度ならバッドエンドでもいいかな?(ぉぉぉぉ
 KEYも慣れないことはするものではない。ここまでキャラ数が多いんだ。フルに購買層を狙いたいに違いない。二股フラフラな話も好きな人は好きだろう。だけど、慣れないことはするものではない(謎)

渚エンド

 今一つ……KEYらしい痛さが無い。暖かすぎるんだ。心暖まる物語。
 それはそれで悪くない。だが、それは俺が発売日買いするゲームなのだろうか?
 積み重ねていく日々に、厳しい慟哭は無い。
 でも……それじゃ、みんなの期待に背いちゃうダロ? 俺が吼えないと、不満じゃないか? いや、ゲームやってる俺は満足なんだけど?(ぉぉ
 と言うことで、メインヒロインの渚、イットク?
 ……いや、我慢できなくなった訳じゃないよ?(ぉぉぉぉ
 渚は、ショートカットのおとぼけ娘。トロい性格に純粋な心。
 ゲーム購入前から5階席弾丸弾確定だったのは言うまでもない。
 出会いは校門の坂の下。あからさまに違う。
 なんやかんやでお付き合いを始める主人公と渚。
> 古河「ああ……なんか贅沢言ってる気がするので、今のナシですっ」
 
やっべ……。
> 古河「そうやって言われないとわからないなんて、ダメな子です、わたし」
 俺にどう回避しろと……。
 最後まで……エンドまで行きました……。
 暖かい……なぁ。
 しかし、明らかに謎を残している……。期待しても良さそうだね……!!

智代エンド

 では、萌えそうにない智代というキャラを攻略してみよう。渚エンド直後でモチベーションも高いしね!!
 智代にはまだ逢ったことが無い。出現ポイントは、まぁ大体解かる。校庭の見世物であったアレだろう。ファーストインプレッションから入ります。
 ちなみに今、隣に鬼畜王が居ます。鬼畜王の推薦でこのシナリオに入ることになったことも付け加えておきましょう。
 坂上智代、登場。
 ロングヘアーの勝気系。そんなに背は高くないようだ。
 問題無い。
 打つ気はありません。
 智代は、昔は強くてケンカっ早くて、今は普通の女の子になりたくて生徒会を目指しているらしい。
 懐かしいですね……七瀬ですか。ラーメンですか(ぇー
 性格は常に清々しく、態度は常に威風堂々。そのくせ、女の子として扱われると嬉しいらしい……らしい……。
 そして主人公はただのキス魔(ぉ
 智代との不順異性交遊で、主人公が停学処分となる。
 それでも朝起こしに来る智代。悪いと思っているからなのか、朝食を作っていただく事に……。
 制エプキタ────(゜∀゜)────!!
 あのさぁ……ヘアバンドに制エプ、お弁当までこなしつつ、この性格と容姿で、しかもこれで年下であるというギャップまで押さえられてるなんて、何処に非を唱えればいいんだい? ナスティ・ボーイは。(ぉぉぉ
 俺? いや、俺は打つコースじゃないし
 確かに感動的なシナリオだった。挿入歌もあった。24HITコンボも面白かった。
 しかし……。
 主人公よ……(ぷち(言いたい事は沢山あるけど我慢しています! お察し下さいっ!!)
 つまり、主人公が永遠に逝っちゃったんだよね……ある意味。

ことみエンド

 では、ことみエンドを目指してみよう。
 ぼんぼりツインテールが幼げな雰囲気を醸し出しつつも、もの凄い電波発信力でファーストインプレッションから度肝を抜いてくれる少女。
 正直、これだけハジけてると素人ユーザーにはお薦めできないものになってしまうのですが。
 ……俺には効かないが(マテ
 全国トップクラスの学業成績の持ち主で、主人公の通う進学校でも飛び抜けた存在。学校の授業では物足りないので公認で図書室に入り浸っているらしい。
 ただし、会話は噛み合わない。
 幼さを残す行動と容姿に、その知識量とのギャップを持ち合わせ、浮世離れした不思議な雰囲気を魅力としているようだ。
 ただし、会話は噛み合わない。
 何故か主人公にだけ心を開いてくれた模様。その理由は解からないが、春原ではまったく相手にされなかった。心なしか愛情も向けられている気がする。
 ただし、会話は噛み合わない。
 えーと……。
 どうすればいいんだ……(ぉぉ
> ことみ「ご本が濡れたら悲しいの」
> どうやら、自分より本のほうが大事なようだった。
 そんな人は知り合いにもたくさん居るんです(
薄い本)が、ここは違和感無く読み飛ばしていい所ですか?(ぉぉ
 ……。
 主人公の過去も出てきて、ことみを愛し支えてくれる存在として皆がいる。その点についても大満足。
 問題無い。ことみの家庭についてもとても良かった。泣かされる話だ。もうべらぼーに泣く。号泣。
 ただし、会話は噛み合わない。
 キャラ的には難しい……_| ̄|○

美佐枝エンド

 あ、あんまりモチベーションは上がらなかったかな……?(ぁ
 まぁ、気を取り直して次へ進もう。
 続いては、春原の住む寮の寮母である美佐枝さんエンドを目指してみよう。
 美佐枝さんは、気が優しくて力持ち。……力持ち?(ぉ
 若い頃は清純系で通っていたらしいが。あと、八重歯がチャーミー。略してチャミ(違)
 美佐枝さんから昔語りを聞いたら……そのままエンディングまで一直線でした。
 Kanon で言う所の佐祐理さんエンドか。
 つまり……微妙に脇役?(死の予感!(俺が
 いや、童話のようで良い話だったけどね……。

風子エンド

 思い返すと、智代エンドで流れた挿入歌は、杏でも椋でも渚でも流れていませんよ……? いや、そもそもメインテーマは渚シナリオでしか聞いてないけどね。
 まさか、今までのヤツはトゥルーじゃないのか……?
 むぅ……では次は風子シナリオに行ってみよう。
 風子は、背の低い下級生で、お下げの目立ちそうに無い娘。
 美術室で木を掘っている所をたまたま主人公が発見し、出会う。かなり危なっかしく彫っているようだ。まぁ、それよりも危ないのは妄想中の表情だが。(ぉぉ
 ……ちょっとツボだけどね(んぁ
 アホだ……システムも含めてアホだ……。春原コンボ連携もそうだったが、
> 風子の鼻からジュースを飲ませるを極めた!
 このアホさが大好きさ……(笑)
♪なんでだろ~? なんでだろ~?
 舌もうまく回らないような幼い風子に、毎日いたずらを繰り返し、主人公のいじめっ子スキルをマスターさせていく……。
♪シナリオの概要延べるだけで、こんなにエロいのなんでだろう?
 俺はめっちゃ楽しいんだけどね☆(マテ
 うむぅ……難しい……(笑)
 いや、まさかKEYのゲームで攻略に苦労するとは思っていなかった。
 どうやら渚とある程度仲良くなりつつ風子との出逢いを重ねていかねばならないらしい。人物相関図からして、風子の姉が伊吹先生で、伊吹先生にお世話になった唯一の在校生が渚な訳だから、仕方無いのかもしれない。そうでないと接点を繋げられないのだろう。しかし、辛い……。
> 渚「岡崎さん、今の、聞かなかったことにしてください、えへへっ」
 あのぅ……渚に転びそうなんですけど……(ぉぉ
 それは何故だろう?
 それは、風子の想いが主人公に向いていないからだ。それと、渚近すぎ。
 風子の想いが向く先には、かけがえの無い家族。やはりクラナドのメインテーマはここなのだ。
 主人公は何もしてやれないわけじゃないけど、どうにもならないこともある。って言うか、病弱なのは俺が勘弁な。渚と風子のダブルアタックとかさぁ!!(謎)
 可愛いやつではあるのだが、今一つ萌えは無かったね。残念ながら。……泣いたけどさ(ぉぉぉ

有紀寧エンド

 次は有紀寧エンドを目指してみよう。
 有紀寧は、資料室に登場する年下の女の子。礼儀正しく、愛想良く。
 まぁ、いちいち説明するよりも年下の佐祐理さんと言った方が百万倍解かりやすい。だって、そのままなんだもん。
 ちなみに舞は居ないので安心して攻略可。
> 有紀寧「おにいさん……」(寝言で)
 ピクン……(ぉ
 貴様は今、言ってはいけないセリフを吐きましたよ……?
 ふむ……。
 ヨッシャァァァァァ!! バッチ来いやぁぁぁぁぁ!!! フルスイングしてやる!!
 その誰に対しても公明正大にして物腰柔らかな性格で、付近一帯の不良連中から慕われている有紀寧。資料室はそれを迎え入れられる場所になっていた。
 誰に対しても平等でいるということは……?
> 有紀寧「私、甘えんぼうですよ?」
 問題無い。全て予定通りだ。
 感動は薄かった。テーマ性ももう一つ掘り出せていなかった。やはり佐祐理さんは佐祐理さんなのか?
 否!!
 今までプレイしたクラナドシナリオの主人公の中で、一番カッコ良かった!!
 満足だった。
 これなら、語ってもいい……。お前は漢だと……。

勝平エンド

 もう一つの渚エンドを探してみたり、幸村爺さんエンドに行ったりして、どう考えてもバッドエンドだったような杏エンドも目指してみたり。サクサクとプレイしていると……問題児登場。
> 朋也「ばっ……なんでもねぇよ!」
 全国3億6千万人のボーイズ・ラ・ヴ☆なファンの皆様方! お待たせいたしました!!
 あなたのハートにズギャァァァ!(謎) な、中性的美少年の登場です!!
 当然、主人公の朋也君は、その中性的なナニカに戸惑い、どもっています。
 あのぅ……ここって、吊る所だよ…ね?
> 勝平「あははは。やだなぁ朋也君、ボクが女の子に見えたの?」
> 朋也「いや……まぁ……その、あれだ……」
 ……。
 いや……あのさ。
 この、勝平によく逢うようになったんだけど……。
 シナリオ突入しちゃってマスカ?
 まぁ……いいけどさ……。
> 勝平「ん…ぅ…くすぐったいよ朋也クン…」
 もう、見てらんない……。
 ……吊ってきます。
 旅をしている勝平。
 偶然、杏のバイクに跳ね飛ばされ(2回も)、椋に介抱してもらったらしい。
 そして、勝平と椋は良い雰囲気に……。
 いい雰囲気に……。
 み、認めねぇ……(ぉぉ←だめぽ
> 勝平「朋也クーンっ!」
> 飛びついてきた勝平をヒラリと交わす。
> 朋也「どうしたんだ?」
> 勝平「あははは、別に用はないよ。朋也クンを見つけたから挨拶をしようとしただけだよ」
 ……。
 なんで、俺だけ、こんな目に……。
 あっれ、おかしいな……。
> 勝平「ボク、キミと友達になれて良かったよ」
 どうしてだろう……。
 椋を盗られて悔しいはずなのに……。
 涙が、止まらない……。

アフターストーリー

 シナリオクリアごとにタイトル画面に累積されていく光。タイトルメニューにアフターストーリーが出現。クラナドを繰り返して、繰り返してプレイしないと、なかなか辿り着けないと思われる。かく言う俺も総プレイ時間が40時間ほどになる計算(ぉぉ
 アフターストーリーを選択すると「渚シナリオクリアデータを引き継いでスタートします」と出てくる。やっぱり、渚タンなんだね……!!
 シナリオは渚シナリオエンド直後からスタートする。
 シナリオの内容はネタバレになってしまうので、ここで言う事は出来ないが、もうね。
 キタ────(゜∀゜)────!!
 イヤァ────(*ノノ)────!!
 ハァ────(;´Д`)────!!
 ノォ────_| ̄|○────!!
 って感じだ(謎)
 渚、オンリーユーだぜこんちくしょう(阿呆)
 俺は何をやっているんだろう。
 たまに選択肢を選び、古河一家に爆笑させられたりして、ひたすらクリックして読み続ける。時には感動し、時には共感し、笑い、悲しみ、頷き、歩く。誰かを幸せにし、自分が幸せと感じるために。見えているゴールに向かって歩く事は、何も悪い事じゃない。自分がそうしたいからするだけだ。
 ひたすらクラナド耐久プレイの60時間。
 俺たちは登り始める。長い、長い坂道を。
 渚エンド→アフターストーリーは、ひたすら繰り返し繰り返しプレイするように。俺が言えるのはそれだけだ……。

総括

 では、総評。
 シナリオは練りに練られた渾身の一作。設定、テーマ性、キャラクター、キャラ相関図、シナリオ関連図、相互作用、裏設定、全体における感動など、名作と言って過言ではない。但し、クラナドのテーマとその意図を安心して受け入れられるかどうかにかかっている。ただの積み崩しゲーにはもったいない。と言うか、それは無理。あまりにもシナリオが長すぎるのだ。2~3カ月かけてゆっくりとゆっくりとプレイしてもらえるなら、安心して誰にでもオススメできる作品だ。
 グラフィックはよく作られていると思うが、長大なシナリオを考えると1枚絵も立ち絵バリエーションも少なすぎると言っていい。問題のいたる絵も、慣れれば問題無い。と言うか、ここまで長いと慣れざるを得ない罠。
 音楽はさすがに素晴らしい。渚シナリオでしか挿入されないオープニングテーマ、それぞれのエンディングテーマ、フィナーレテーマ、ここぞと言う所で挿入歌はどれも素晴らしいデキ。但し、Kanonほどじゃあ無いと思った。
 システムはとても使いやすく、綺麗にまとめられている。なにより、長大にして複雑なシナリオルート分岐をキッチリとまとめ上げている点を、素直に評価したい。バグフィックスとテキスト校正に一体何ヶ月かかったんだろうかねぇ……とか考えてしまうほどだ。
 総じて、時間のある人なら誰にでもお薦め出来る名作。さすがKEYだった。
 本作品は、メインテーマがしっかりとしている。テーマがテーマなので全体的に暖かい感動を主とする。KEY独特の突き落とすような痛烈な痛みは、総プレイ時間60時間中1回しか無かったように思う。その点でも、このゲームは万人向けだ。古参ユーザーには物足りないかもしれない。また、積み崩すことに至福を求めるユーザーにも、この長大なテーマ性は受け付けにくいだろう。KEYに求められる、あるいは、求めているユーザー層が幅広すぎたのだとも思える。この辺り、FFっぽさを感じた。
 ライトユーザーにはむしろ、ファーストプレイ時に強引なギャグに耐えられるかどうかも問題になる。はっきり言って電波系。ことみ、風子あたりが顕著である。
 話を戻そう。作品としての盛り上がりや見せ場はたくさんある。心温まる感動的なストーリーだ。しかし、どうにも納得行かない点が1点……以下、シナリオの核心を突くフルネタバレなので注意。
 物語の核心となる奇跡と設定の土台が、今回は非常に曖昧だ。Kanonにはあゆシナリオとして設定された奇跡の土台がある。AIRにはSUMMER編として設定された物語の土台がある。しかし、今回のクラナドはそれが希薄。無い訳じゃないが、シナリオとの関連性が深い考察を経ないと出て来ないわりに、今一つ掴めない。
 幻想世界での物語。とてもとても悲しい少女の物語。その物語が渚アフターストーリーで奇跡を起こす鍵となるが、それと渚との関連性の提示が弱すぎる。
 幻想世界での視点であるガラクタと女の子の関係は、アフターストーリー汐エンドの、汐と、朋也が汐のために始めて与えたロボットのオモチャだと言う事は解かる。と言うかコレしかない。
 何の変化も無い永遠の幻想世界から抜け出すために、ガラクタはガラクタを積み上げたり、形作ってみたりする。これは何だろう? 動かないガラクタという虚像を求めるその姿勢。それに対して女の子は「ごめんね、ごめんね」。プレイヤーの比喩だろうか? それとも作者自身?
 対して、汐として捉えた幻想世界の女の子。この女の子は幻想世界自身であり、幻想世界の意志とある。つまり、幻想世界とは汐の深層心理だろうか。もしそうなら、どの場面の汐なんだろうか。エンド直前の主人公に抱かれた状態なのか? 古河一家で実の親を見ぬまま育っていた時代なんだろうか? むしろ、渚の中で胎動している状態なんだろうか?
 何も変わらない世界ということをふまえると、渚の中にいた時というのが正しく思うようになる。しかし、主人公から与えられたオモチャは汐の記憶には無い状態。汐エンドラスト、渚が胎教に歌っていただんご大家族の唄が最後の最後で出てくるところから見て、渚の中だと考えるのが正しいか。しかし、ネックはガラクタの視点。いや、渚の中にいて、どうして猛吹雪なんだ。ありえネェ。堂々巡りのこの疑問。結局、幻想世界とはどこなんだろう。
 ここで考えを元に戻す。どこと言う訳じゃない。幻想世界とは女の子自身なのだ。それは、汐自身の全てであって、ピンポイントの汐の深層心理ではないのかもしれない。つまり、汐の過ごした全時代の記憶がない交ぜになった世界なんだろう。つまり、汐エンド後の汐……ぐぉっ(爆涙)
 やべぇ。思い出すだけであのエンドは辛すぎる。しかし、あのエンドの終わりでは、幻想世界の女の子はこう言っていた。「私は、この世界自身だったの」と。その時点では、女の子はガレキの視点で目に見える位置にある。しかし、女の子はこの世界自身と言う。女の子がいて、世界がそれと同一で……つまりこれは、幻想世界:女の子=渚:汐と言うことなんじゃないだろうか? そして、女の子は幻想世界と統一される。幻想世界になる。そう、渚の中に存在していた汐は渚になる。渚は汐を産み、汐は渚になる。幻想世界とその中の女の子とは、汐であり渚なのだ。どちらがどちらという訳でもなく、時間の流れも関係なく、全ての場面を含んだどちらでもあるのだ。
 ……やっべ、このゲームやっべ。
 そう考えると渚が幻想世界の物語を演劇の題目として使えるほど記憶していたことも、ガレキの視点も、光のカケラも、女の子が一人であることも、変わらない世界であることも、獣の正体も、そしてフィナーレで迎える光る街も、何もかもが説明がつく。ガレキの積み上げは光のカケラだったのだ。
 しかし、これらの考察の接点はあまりにもあやふやで頼りなく、俺自身がこれで合っているかどうか解からない。ただ、シナリオ全体を通してそんなあやふやなものを感じたに過ぎない。
 渚自身にしても「何故だか解からないけど知っています(いた)」ではいまいち押しが弱すぎる。もっと関連付けるものが欲しかった。シナリオ中にこのような考えを持てるプレイヤーは、よっぽど斜に構えているか、よっぽどクラナドを愛してやまない熟考ユーザーだ。幻想世界自体は、AIRのエンディングに立つ少年少女のようなもので、ただの比喩なのだ。
 AIRの時と一緒だ(AIR日記の考察参照)。俺はこれをゲーム中に感じ取りたかった。ゲームを解いてから余韻に浸りつつもう1周、もう1周とさせているうちに気付かされる伏線の繋がり。しかし伏線と呼ぶにはあまりにも微弱で、頼りなく、それを考察しても具体的に実感することはあまりにも難しい。周回プレイを3周してもそう思うのだから間違いない。
 60時間もクラナドをプレイしているにも関わらず、だ。
 それはつまり、設定されているのにシナリオとして語らないと言う事だと思う。
 シナリオ中でこう言った考察にいたるまで、事細かに描かれてはいない。むしろ、考察できる状態までプレイヤーの考えを向けさせない。
 俺自身はあまりにも核心部であるために語って欲しかった。しかし、その必要は無かったんだろう。
 クラナドの家族愛という強いメインテーマ。これについては素晴らしいと思う。そのテーマに沿ったそれぞれのシナリオもとても魅力的だった。相当な数の登場キャラクターの全員にシナリオが存在しているゲームは珍しい。登場人物でありながらシナリオには殆ど絡んで来ない幸村先生ですら、花を持たされている。加えて、主人公の行動一つで複雑に人間関係が絡み合い分岐していく複雑な攻略ルートも賞賛に値する。クラナドがこれまでのKEY作品に比べて異様なまでに登場人物が多かったのは、このだんご大家族を表現したかったからに他ならないと思う。
 突き抜ける痛さや、戦慄するほどの感動、目の覚めるようなトリックは、クラナドのシナリオは持ち合わせていない。ただ、当たり前のようにそこにあり、だけども人と人とが長い年月をかけて育んできた家族愛。その一つ一つの家族愛が、折り重なり、入れ違い、反響しあってできる、クラナドの登場人物全員で形成するだんご大家族。複雑に入り乱れ、干渉しあうクラナドのキャラ別シナリオ。そのそれぞれの感動や愛情は、つまり、このクラナドの舞台となるこの町の温もり。愛されてやまないこの町が、人を愛したのだ。人が町を育て、町が人を育てるのだ。渚も風子も、その結果なのだろう。
 私自身も、この日記を読んでいる諸氏も、家族を形成し、家族の愛を感じ、育んでいくだろう。当たり前のようにそこにある愛も、そして感動も。クラナドをプレイして「チャチい感動ゲーだな」とか思われたら、それはとても悲しい事だ。チャチいと思われた感動を、あなたは作り上げる事が出来ますか。登っていますか、その坂道を。しかし──。
 登ることをためらっていた渚と主人公。

 そして俺たちは登り始める。長い、長い坂道を。

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