2001-08-09

ひなたのおか


 誰かこのゲームをちゃんとクリアした人はいるんだろうか……(ぉ
 とにもかくにも、このゲームはシステム面が最悪である。
 どれだけ悪いかと言えば、あの Close2U の数段格上……システム最悪を豪語するアレより遥かに悪いのだから、それはもう想像を絶するものと思ってもらえれば。
 まず、ゲームプログラムが起動しません。
 これは致命的と言うか、それ以上だろ……なんで市販出来るんだ?(笑)
 Webから修正パッチをダウンロードして、適用します。そもそも公式サイトじゃないっぽいんですけど、公式はどこ行った。
 なんとか起動はしましたが……当然のようにフルスクリーンでしか動きません。ウインドウを切り替えると止まります。大き目のアプリケーションが動いていると速攻でケンカして負けます(起動できないままプログラムが閉じる)。
 タクスバーは当然のこと、実行プログラムをいくら探しても実行されている気配はありません。いや……標準のウインドウズ画面(デスクトップ)に戻った瞬間に蒸発しているのだから、探りようがありません。自らの実行プログラムを閉じることでシングルタスクを実現する恐ろしいプログラムです。
 さらに、セーブは無し(自動セーブのみ)、キーボード操作は禁止(キー入力を感知するとプログラムが暴走)、そのわりにマウスポインタは必要なとき以外はヒドゥン(見えない)、発売から相当経ったはずの修正パッチをあてたはずなのに誤字脱字が多い、シナリオの整合性は当然のように不備多発、など……ゲームを起動して10分でこのぐらいのことが解ってきました。もはやシステムが駄目とかいう次元を超越しています。
 修正パッチを当ててもこれだけ凄いシステムを見たのは初めてです……最新のパッチからもう3カ月ほど経っているので、もうこれ以上は望めないようです。
 これなら Microsoft Office にも勝てるぞ(マテ
 普通ならこの時点でゲームを諦めてしまうところですが、まだまだ…… Kanon や Close 2U の前例通り、システムに欠陥が合ってもシナリオが素晴らしいゲームは存在する。いや、むしろそんな前例があるから俺は続けてしまうのだが……。
 しかも、そのシナリオと言えば……。
> 「不治の病を患った主人公。余命いくばくも無い主人公は残る人生を2年ぶりの実家で暮らすことになる……」
 ……と、もうこのあたりでワクワクするようなシナリオを期待させてくれる。 Silver Moon や Close to、Powder Snow 等で何度か味わった、擬似栞体験(ぉ) 俺の考え方で栞がこういった設定の相対的な主観になってしまうのは、それだけ Kanon と言うゲームが偉大だったということで諦めて欲しい。
 近しい者を不幸にしてしまうことが確定しつつある儚い存在。しかし、それ故に輝き、惹きつける。この悲しい宿命はどちらに振り子が振れるか解らない点もまたシナリオとしての面白さを演出してくれる。……さて、このゲームはどうだろうか?
 いつものようにキャラクターインプレッションから始めよう。
 千里、登場。セミロングのストレートの髪型で赤髪。しかも幼馴染み。食いしん坊。世話焼き。ややある。……髪型から性格・環境まで、Kanon の名雪と ToHeart のあかりが混ざったような感じをしている(笑) まぁ、料理が下手な点や、言葉遣いがガサツな点は似ていないが……。
 楓、登場。しかし、この名前で男だったりする。主人公の旧知の親友。
 雲雀、登場。楓の妹で、つまりは親友の妹と言うことになる。巫女さんだが、親友の妹はさすがに無理だろう(謎)
 梢ちゃん、登場。主人公が通っていた病院の主治医の娘で、自分のことをボクと言う。明るい性格だがすぐ泣くらしく、感情表現は大きい。
> 「さて外出しよう。」
 と言ってマップ画面に切り替わるが、行ける場所は自宅だけ。
 仕方なく自宅に戻ると、
> 「どうやらいつのまにか昼寝をしてしまったらしい。」
 などというテキストが流れる。
 シナリオの整合性についてあまりとやかく言う気はないが、まだ2日目だし、ここまであからさまだと逆にウケを狙っているんじゃないかと思う……。
 テキストは特に媚びたところもないしシナリオはシリアス路線を貫いているので、おそらくは天然だと思われるところがさらに痛い。
 途中で登場する、「オカマっぽい口調で話す焼きイモ屋台のオヤジ」も天然だとしたら嫌だなぁ……(笑)
 千里に2年ぶりに帰ってきた街を案内されながら日々を過ごす。
 千里は、犬の散歩に付きあって欲しいとか言う理由で、寝ている主人公の布団を引き剥がし、大型犬を室内まで連れてきてけしかけるという凄いヤツである。外見的にはOKなんだが、性格がちとな……。
 雲雀ちゃんとは神社で逢えるが、巫女さん(うっとり)……って、そうじゃなくて、男性恐怖症らしくてあまり話をしてくれない。と言うかフラグが立たないのか、同じ会話が続く
 梢ちゃんは電話だけの会話なので立ち絵が出てこない……どんなキャラなのか楽しみである。
 一葉という謎のキャラ名が出てきた。主人公の回想みたいなシーンで、名前のみの登場。主人公が幼き日に何か約束をしたようであるが……。
 梢ちゃん、ついに登場。……出たよ、年齢不詳少女が。立ち絵から推測するに中学生のようだが……。ショートカットで八重歯装備。礼儀正しく、元気活発で、ちょっとドジな所がある。……間違いなくバックスクリーン直撃ですな。
 伝説の7つの栞奥義の1つ、「鼻先を覗きこむようにして目と目を寄せて照れる」を使う。……出逢いの初日から早くも撃沈! 主人公よりも儚い俺の魂(ぉ
 主人公が闘病生活を送っていた遠い街から来たばかりの梢ちゃん。いきなり夕食を作ってくれる。うう……歓喜に打ち震える俺。これだけで、やっぱりどんなにシステムが悪くても「ひなたのおか」をやって良かったよ……今、報われたよ……と、心の底からそう思う(マテ
 このゲーム、毎日の外出先を決めるだけで、ほとんどまったくと言って良いほど選択肢が出てこない。と言うか、「迎えに行こうか? 待っていようか?」と言う選択肢くさいテキストは流れるものの、勝手に主人公が決めてしまう。
 おそらく、こういったところに選択肢を入れたかったのだろうが、ゲームの製作過程でカット(断念)されたようだ。
 初めて選択肢が出てきたのは12月22日のことである。ゲームの期間はまだ解からないが、おそらく1カ月程度だろう。しかしこの日から選択肢が多発する。些細なことは気にしては行けない。
 翌日は梢ちゃんと1日かけてデート。今まで登場の機会が無かっただけに、デートイベントの内容は非常に濃いものになっている。瞬殺萌えイベントが多発。そして、セツナサの予兆も沸いてくる。
 街角でキスをするカップルを見入っては、それを見ていた主人公の視線に気付いて激赤面する梢ちゃんに乾杯(謎)
 主人公の自宅(ごく普通の一軒屋)で迷子になってしまう梢ちゃんに完敗(マテ
 萌え狂ってしまうようなイベントと、切ない主人公の背景に押し出される心理描写が良く出来ていると思う……思うがしかし、1枚CGのたびに少し憂鬱になってくる……(謎)
 つまり、立ち絵だとオレツボ(謎)なのに、1枚CGになると何故か若返りヤバさ炸裂(ぉ)
 これでえちぃシーンがあったら、俺は泣いてしまうかも……(マテ
 冬の川に釣り人が並んでいる……どう考えてもおかしい光景だ。
 夕食用の買い出しに行ったのに、次の場面ではレストランにいる。気分が変わったなどというテキストは一切出てこない。
 アーケードの中なのに、グッと背伸びすると青空が広がっていた、などと言うテキストが流れる……。
 このぐらいの不自然さ、整合性の無さでヘコタレていては、このゲームはプレイして楽しめない。 不自然なテキストと不整合なシナリオから、シナリオライターの考えた物語の流れを読み取り、感受することができなければいけないのだ。
 だから、誰がなんと言おうと、12月23日がクリスマスイヴで12月24日がクリスマスだと思わなければならないのである。
 クリスマスを過ぎると、近すぎる二人の関係に戸惑う主人公。逃げる主人公。脱兎する主人公。梢ちゃんの愛情を一身に受けて説き伏せられても、また逃げ惑うバカ主人公。久々に見たよ……こんな、ヘタレの主人公を……。
 そのヘタレ加減と言ったら、Rainy Blue や White Album の主人公並みで、部分的には越える。
 えっちシーンになってもまたダメ主人公が炸裂してます。しかし、梢ちゃんのCGに俺もちょっとダメ気味(謎) 1枚CGになっていきなり若返るのは勘弁して下さい……少年のようです……。
 梢ちゃんが出てきてからのシナリオは非常に内容が濃く、申し分無いと思います。だが時間が掛かりすぎるのでは……まぁ、それはヘボすぎるシステムのせいなんだけど。
 このシステムのせいで、普通にプレイ出来た時の約3倍はかかっていると思われます。
 いきなりゲームが止まってしまう(ハングアップする)のは当たり前……と言うか朝飯前。同じテキストが何度も出てきて無限ループに陥ったり、無限ループを何度かくり返すと突然別の関係無い場面へ飛んだりセーブデータをロードするとオープニングが流れたり(マテ…
 しかも、無限ループに陥った選択肢で、次に同じ選択肢で進めると普通に進めたり。
 とりあえずは一人クリアしましたが……感動も泣きもしましたが……さすがの俺も、もうこれ以上やる気にはなれそうも無い凄いシステムのソフトでした。

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