2004-04-19

こなたよりかなたまで


 塾長を初めとして、勇者王、姉妹王、鬼畜王の漢祭オールスターズの面々から強プッシュされ、プライオリティゲームとしてプレイすることになりました。
 数々の伝説を持つF&Cのゲーム。話題性の上では上位に位置するのだが、俺的優先順位はかなり低め。絵の質が良いのだが、それは俺の判断材料にならないのでね……。Canvasは例外的に高評価だが、ピアキャロ3、ウィズユー、ナチュ2、水月とそれなりの評価しかしていない。ウィズユー、ナチュ2、水月に至ってはたいした萌えキャラも存在せず、絵ゲーとしても致命的と言わざるを得ない。
 さて、今回のこのゲーム。聞くところによると俺向けらしい。ゲームとしても普通に面白いらしい。さて、どうなりますやら……。
 略称は「こなかな」。

ファーストプレイ

 とらハ3チックなオープニングデモだと思っていたら、I’ve sound だった。さすがに耳に馴染む。
 おもむろにゲームスタート。特に何も考える必要は無い。いつものことだ。
 妙に人生観を語りながら、冬の朝の描写をする主人公。ありきたりの一学生が、
> 午前中は学園へいくのだから、着替えねばならない。
 とは考えない。
 普通は、何も考えず当たり前のように行動するものだろう。つまり、一癖ある主人公だと言うことが解かる。ちょっと感感俺俺の気配がするのが危ぶまれるが、密かにP17n並みであることを期待する(ぉ
 佐倉香苗、登場。
 ショートカットの地味目な女の子。何気にこう言ったゲームでは珍しい、ちびでぽっちゃり型。性格は控え目風味(謎)
 主人公とは小学校からの幼馴染み。しかし、それ以前に耕介という主人公の幼馴染みが香苗に惚れているらしい。とらいあんぐるハートの予感。つーか確定。
 打てそうだが……どうだろう。親友・耕介次第かな。
 P17n並みに小賢しい主人公だと思っていたが、どうやら人当たりはかなり良い模様。……期待してたのに(マテ
 朝倉優、登場。
> 「あ、彼方お兄ちゃんだ! いらっしゃい!」
 ウェーブロングの病床に伏せる女の子。小学生。12歳の小6と明確な数字が出てくるので、ありえないだろう(謎)
 いくら水月で無茶をしたF&Cとて、それは無いと思われる。って言うか、勘弁して下さい……。
> 「でもダメ。お兄ちゃんは優のお兄ちゃんだから」
 ……_| ̄|○
 ガン治療センターですか……俺にどうしろと? 避けられない球をどうやって避けろと?(ぉぁ
 鹿島いずみ、登場。
> 「お~、来たわねロリータ殺し!」
 やかましい!!(ぉ
 ……いや失敬。
 ウェーブヘアーの看護婦さん。優の担当をしているらしい。明るい性格だが、ややいじめっ子。むしろ、どうしてナース服がそんなにひらひらなのかを激しく問い詰めたい。
 緑髪でマナマナを回顧する僕は、悪い子ですか?(ぉぉ
 主人公の立場発覚。
 _| ̄|○
 抗癌剤なんざネタにしやがって……それは卑怯ですぞダンナ(謎)
 って言うか抗癌剤って効かないしね。進行を抑える薬であって、治す薬ではない。苦痛の生(抗癌剤)か安息の死(癌)かと問われて癌を取る癌患者の方が多いことからも、その辛さは理解できよう。
 おっと脱線してしまったが、なるほどなるほど。パウダースノーやひなたのおかで味わった、擬似栞体験(ぉ)って事ですな。ただ、パウダースノーはキャラゲー(むしろ巫女ゲー)だったし、ひなたのおかに至ってはシナリオ整合性の問題で結局主人公の闘病という設定がどうなったかは忘却の彼方。ひなたのおか(リメイク版)では湧とマラソン勝負とかしてるし。参考になりません。
♪つまらないって思ってた日々も過ぎ去った今思えばあんなにも満たされて毎日を過ごしていたんだ。
 ヤ、ヤメレ……(ぁ
 クリステル、登場。
 自宅にて抗癌剤の副作用にうなされて寝ていた主人公が、目を覚ますと寄りかかっていた不審人物。
 テキストから察するに外人のようであるが、「~~じゃ」とか「そなたは~」などと古風な言葉を使う。微妙に男言葉。八重歯。
 さとりの化け物め……(ぇ
 九重、登場。
> 「……」
 黒髪ポニーテールの無口系。
 特にどうということ無く、ファーストインプレッションは終わっていった。
 九重さんの正体判明。
 ( ´_ゝ`) フーン(ぉぉ
 クリス、反転する。
 ( ゜,_ゝ゜) プッ(ぉぉぉ
 むぅ……いつの間にか終了してしまった(ぁ
 悪くない話だったような気もするが、今一つパッとしないなぁ……。ヴェドゴニアでも月姫でも思ったが、経験による推測が出来ないというのは、なかなか覆し難い障壁だ。
 それを考慮しないにしても、物足りない。アタリ作品の後にプレイしたというのも響いているかも知れないね。
 クリスでは、ゆうひ(とらハ2)には成れないということだろう(謎)
 って言うかさぁ。
 これって、俗に言う灰色決着ってやつじゃないのか……?(ぉ

九重シナリオ

 クリスシナリオで主人公が見せた心根を見る限り、香苗シナリオは当たりで間違いないので、九重の謎に迫ってみよう。
 って、初っ端からテキスト変わってますが……。
 いや、すぐに戻ったか。ひよっとして1周目は強制バッドエンドってパターンか。ふむ……。
 となるとクリスももう1周しておく必要があり、尚且つ、主人公の見解と俺の見解も軌道修正が必要だ。
> 「私はとっくにお前に捕まっている」
 ……へ?(ぉぉ
 無愛想な九重さんと親交を無理矢理深めているうちに、九重さんから出たセリフ。
> 「寒いのだろう?」
 待ちなさい?
 余計な加速ポイントはいけませんよ?(謎)
> 僕は笑いながら追求する。ほんの少し意地悪したい気がしてくる。
 塾長?(ぇ
 いや、塾長の匂いがする……!!(ぉぉぉ
 対象キャラ(九重さん)もそうだが、何より主人公の思考と行動。関西弁だったら間違いないのではないか? いや、かなり。
 そして感動の……。
 と言うわけでもなかったが、それなりの結末が待っていた。その後の邪推をする必要は無いだろう。物語はここで綺麗に終わっていたのだ。

クリスシナリオ

 九重シナリオをクリアして大事なことを忘れていることに気が付きました。
 このゲームって18禁ゲームだったんだよね(ぉぉぉ
 つまり、クリスシナリオだと思ってクリアしたファーストプレイではクリスとえちぃことをしていない。F&Cのメインヒロインなんだから、それもアリかもしれないが、それはまず無いと言っていい。半纏王から不平不満を聞いていない時点でそれは明らかに推測できる事実なのだ(ぉ
 と言う事はファーストプレイはクリスシナリオではないことが解かる。
 なのでクリスシナリオを目指してみよう。
 クリスは吸血鬼。この時点で既にダメぽ。金髪ロングナイスバディの気さくなお姉さん。ありえねぇ。
 シナリオは、この主人公とクリスが似た感情を感じる(RR)境遇に立たされてることから展開していく。
 ……。
 いや、似てないんちゃうん……?(←根底から覆す俺
 大変申し訳ないのだが……(笑)
 ……あ。
 どうやらファーストプレイで正解だった模様(スキップで全部行ってしまった)
 ウエーイon_

香苗シナリオ

 騙されてしまった。
 やっぱりF&CはF&Cだったのだ。
 なのに、半纏王から不平不満が出て来ない。何故なんだろう。ありえねぇ。(失礼)
 テンションが続かなくなってきたので、ここらで一発ホームランを打ち込もうか。(予告ホームラン)
 本命の登場である。
 香苗は、主人公の幼馴染み。
 若い頃から人間嫌いをしていて図書室に通い詰めだった主人公に、一番近い場所にいた存在。香苗は図書委員だった。いくらか話をするうちに、主人公にとって香苗は元々の親友を越える間柄となっていった。
 しかし、主人公に科された未来の設定のため、好意を寄せているとわかっているはずの香苗を、主人公は突き放していく。
 ……瑞佳?(ぉ
 すでにもうダメだ。瑞佳にはない耕介という存在もある。
 吼えますよ。
 えーと……。
 彼方がクリスに語る独白。香苗との出会いと今までのこと。
 すでに泣きそうなんですか、早すぎますかね。早すぎますか。そうですか。
 あまりにも見事なクリスの引き際に感動。
 あやうく惚れそうになってしまったが、俺は強い子です(マテ
 だ、か、ら無理だっつーの!!
 瑞佳ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!(ぉぉぉぉ
 や、野外はダメでし……(TT
 雪が降りそうなクリスマスの夜。彼らは公園で燃え上がる……!(ぁ
 半纏王の匂いがする……(ぉ
 おあずけ(謎)に、いじめっ子(DNA的衝動)と来て、野外って……半纏王以外に考えられんよ……(ぉぉ

優シナリオ

 キャラ的な本命が香苗なら、シナリオ的な本命は優。
 もうね、ありえないよね。設定が。無理だっつーの。
 俺が耐えられるものではない。仕方の無いことなのだ。それは、法則的な摂理なのだから。
 優は、主人公が通っている県立がんセンターに入院している女の子。
 ウェーブロングのお人形のような容姿であるが、そんなことはもうどうでもいいや。無理(ぁ
 諦めてる。無理だろう。俺には回避出来ない。
「諦めちゃいけない……諦めたら、そこで終わりだよ。」
 安西先生の言葉が俺の心を突き刺して、そして、熱いものが頬を流れた。
 安西先生……。色々と(バスケが)シたいです……。(ぉぉぉぉ
 思い出語りの中で、次々と優の閉ざされていた心を解きほぐしていく主人公。やり手である。
 無愛想で何にも興味を示さなかった冷たい少女は、主人公が辿る道の先を歩んでいた。が、主人公はそれを追い越して先にゴールに辿り着く。その設定があったからこそ、小学生をナンパするようなことが許されるわけで、実は犯罪です。
 起きろ! 起きろよジジィ!!
 お手当ては勘弁しるるるるるるるるる!!!!!
 つーか、板橋先生は最高だ。七尾先生を思い出すね。そうだね、シンクレーア君!(後ろナナメ45度でキメ)
> 「私を、置いていかないでください」
 ギャアアァァァァァァァ!!(ぉぁぁ
 _| ̄|○
 いずみちゃん……主人公は棚ボタですか(謎)
 思い出語りが中心でこれからと言う時に思い出語りの中でシナリオが収束。うそーん……。
 F&Cが120%全開だよ……。
 鈴蘭は年齢不詳だったからF&Cも冒険したわけで、年齢を表記してしまった優はやはりダメらしい(ぉ
 いやそうじゃなく、ここで切ったらシナリオとして物足りないだろう?
 せっかくの設定を半分も活かしきれてないよ……。

クリスシナリオ2

 半纏王から不平不満が出て来ない点はやはり腑に落ちない謎。謎というにはあまりにも明快な答えが用意されている。
 やっぱりクリスとデキないのに、半纏王が認めるのはオカシイ。違和感120%。まったくもって、あ り え な い(ぉぉ
 そして、その答えはここにある。私が今一度進む道に。
 ……。
 すまない。最初っから答えなど解かっていたのだ。
 ファーストプレイ時の印象と変わることは無かった。再度書くと、悪くない話だったような気もするが、今一つパッとしない。ヴェドゴニアでも月姫でも思ったが、経験による推測が出来ないというのは、なかなか覆し難い障壁なのだ。

総括

 では、総評。
 シナリオは設定からして卑怯極まりない。だが、それが好きな人には問題無い。俺とか。
 しかし、その設定が120%活かされているかと言えばそうでもない。少し物足りないのだ。まぁ、F&Cなのでそんなに期待するなよとぐらいは言っておいて損は無いだろう。
 グラフィックはさすがに美麗だ。構図的にも色彩的にも。だが、若干枚数が少ない気もする。水月のようなテキストが前面に出たタイプなので問題無いと言えば問題無いのだが。
 音楽は秀逸。実に素晴らしい。久々に音楽で誉めている俺だ。押しがやや弱いが範囲内であろう。
 システムはそれなりに良く出来ている。設定も細かく指定できる。ただ、ハードウェア的な設定とソフトウェア的な設定とで設定を行う場所が違うのはあまり良いものではない。スキップを使用する場合に右クリックメニューから「SKIP OFF」を押すとスキップを開始するのも違和感がある。
 総じて、F&Cでありつつも設定の過酷さでシナリオが持ち上げられている感じ。テキストや展開が上手いとかじゃなく。
 そのわりにシナリオとしては結局、核心に近くない九重シナリオが一番良かった不思議。

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