2003-04-29

Prismaticallization


 お馴染みZ師匠からお教え頂いた作品。しかして新作ではなく、1999年という実に4年前の作品になる。つまり、Kanonの年か。
 このゲームを作ったARCシステムワークスというのは俺は知らないゲームメーカーだが、自社サイトで自分の作品を「多くの非難と僅かな賛辞を呼んだ」などと言い下せるその豪胆さ。やるじゃない?
 1,000円ちょいで買えてしまうナイスプライスと、昨年の春を賑わせたミルシー絵師が原画を担当しているということで、積み上げておいたのだった。
 ゲームの内容は特に聞いてない(ぉ
 通称、「P17n」。口語では、「プリズマ」と言う。

ファーストプレイ~周回プレイ~澄香エンド

 ゲームを起動させると、良い感じに凝り気味のシステム画面で起動する。
 俺はデフォプレイヤーなので、いつものように全てデフォルトでスタート。
> 以降、約30分程度に渡り、読むだけの進行となります。ご了承下さい。
 分岐無しシナリオキタ────(゜∀゜)────!!(ぉぉ
 プレステを起動してから2回しかボタンを押していないのに、あっけらかんと言い放つあたりが凄い。
 画面右上に、(ゲーム内の)現在の時間が表示されている。うん、それは解かる。
 しかし、その下で動いているタイムウォッチ。どうやらゲーム開始からの時間を計測しているらしい。大抵のロールプレイングゲームでもセーブ画面でなら表示されるが、このゲームは常に計測して表示している。なにやらタイムアタックの予感。……ひょっとして、タイム制限とかがあるのだろうか? システム画面にしても止まらないのに、それは辛すぎるよ……(笑)
 柊 明美、登場。
 つややかな黒髪ショートカットの活発系。幼馴染みと言うほど馴染みでは無いが、幼い頃からの知り合いらしい。口よりも手のほうが早いタイプ。
 ミルシーで言うと……沙織さんとパンタローネを足して2で割った感じか。
 木の下 さより、登場。
 ロングストレートなおっとり系のお姉さん。天然幸せ系。なかなかのひらりすと。
 ミルシーで言うとさちえさんとかすみさんを足して2で割った感じ。
 琴原 みゆ、登場。
 無口系だが、ショートボブで激ひらりすと。
 ミルシーで言うと真白ちゃん。
 鳴川 澄香、登場。
 派手なワンピースを着た明るい娘。天真爛漫で激しくひらりすと。
 ミルシーで言うと外見は美樹だが、中身はゆんと沙織さんを足して2で割った感じ。
 沢村 雪乃、登場。
 澄香のクラスメイト。さらさらロングヘアーのお嬢様。ややふりふりすと気味だが、概ねひらりすと。
 ミルシーで言うと性格はちはやちゃん。
 P17nの物語は、明美と一緒に受験勉強の為に山荘へ泊まりに来た主人公。山荘を任されていたのがさよりさんで、さよりさんの従妹であるみゆは夏休みだからと遊びに来ていたらしい。主人公と時を同じくして、澄香と雪乃は2人で山荘へ遊びに来ていた。
 ここは天国でつか?(ぉ
 ミルシー絵師の激しいシワに、当然のようにひらりずむを満載。このややある度にして、このシワは一体どう言うことか? この静かでのどかな山中にして、このひら具合とは一体どうなっているのか? そして何より、この違和感の無さは恐るべし、恐るべし。ふむ……素晴らしい。立ち絵が1ドットでも動く度に吼えてしまいそうだ。と言うか、立ち絵が切り替わるたびにテキストウインドウを消去して吼えているため、30分で終わると言われた1周に3時間もかかってしまったんですが。誰か俺を止めてくれ。
> 同時に4~5人の妻を娶ることは可能だが、2人以上の妻を平等に扱うのは難しい。
 ヤメレ(笑)
 そう言う問い掛けは、半纏勇者な偉い人に聞いて下さい(ぉぉ
 みゆが失踪。
 ヤレヤレだぜ。
 必死こいて探しに行って帰ってくるとみゆ発見。
 みゆ発見ッ!?(脳震)
 みゆは、山荘の近くで何か落し物を探していたらしい。四つん這いになって探し物をしている。ギリギリじゃないとボク駄目なんだよ、お願い寒(以下略)
 そそ、そんな危険なポーズはイイイイ、イケマセンっっ!(ぉぉ
 思わず2ゲット(謎)
 みゆと別れた主人公が木のうろでキラリと光る物を発見し、それを手に取ると……ゲームが中断。いや、終了?
 ゲームを継続すると、拾った光るガラス片のようなものを持ってオープニングから始まった。なるほどなるほど。ユーノのような感じか? 分岐システムは全てアイテムからと言うことか。ゲーム続行の画面で「スキップをご活用下さい」とあったが、そんなに長いのだろうか。面白い。これは短くて長い話になりそうだ。
> 一目惚れを信じる?
 コアラッキー?(マテ
 2周目はアイテム(ガラス片)による選択肢が出るが、その選択肢に対しての主人公の解説に不思議なものを感じる。1周目とはあまり変わらない内容なのだが、微妙に違うところもある。
 これを繰り返してゲームを進めていくのかなぁ……。正直、辛いような気が……(笑)
 3周目。
 展開が大きく変わってきた。
 どうやら、前周回の選択肢が現周回の展開に影響するようだ。つまり、現周回時点で次周回を読んだ選択をしろと。めちゃムズ(笑)
 実は、2周目が終わってからファースト攻略は澄香にしようと決めたのだが、攻略方法が解かっても、まだまだルートが解かるまでは至らない。普通のアドベンチャーゲームと違ってバッドエンドが無いのだ。バッドエンドへの選択肢と逆を選べばそれが正解、という簡単明瞭なものではなく、正解である周回を繰り返さなければならないシナリオ自体がパズルになっているゲームシステムだ。
ようするにルービックキューブなんだろう。初めのうちは誤手を繰り返しながら、解けてくれば気持ち良くハマる。ラストへのカウントダウンが完成した時点での達成感は素晴らしいものに違いない。詰め将棋が解けたような感覚に違いない。だが、その1手を打つのに1周30分……これは凄く微妙な所だ。アドベンチャーゲームとして見れば30分は短すぎるし、詰めパズルとして見れば30分は長すぎる。
 とかなんとか言っても、俺は既にハマッているのでフルコンプする気満々です(ぉ
 俺がひらゲーにハマらない訳無いダロウガ( ゜Д゜)ゴルァ!(マテ
 4周目。
 第1回! 木漏れ日に光り踊るバトミントン大会~~☆ Yeah!
 今だ! 2ゲットズザー!!(ナイスアングル位置へ)
 右へ左へ! 右へ左へ!!(謎)
 Ahhhhhhhhhhhhhhhhhhh!!!(発狂)
> みゆ「私……えっちなことなら、構いません……」
 ……んぁ?(←澄香攻略中)
 ガクガクカクカク(マテ
 カタカタカタカカタカタカタ(謎)
 P17n、フルコンプ確定。(んぁ
 5周目。
 澄香の主人公に対する呼称は「先パイ」であり、相づちを打つときは「です!」と言う。悪くない。カナーリ悪くない。
> 澄香「そんなことしたら私、先パイに何するか解かりませんよ……!」
 怖……。
 澄香がアッチ系のキャラと判明。
 ふむ……(←防衛堅固なキャラクター性に攻めあぐねつつも、まったく士気は衰えることなく、むしろその状況を楽しみながら把握して)
 6周目。
 難儀なパズルシステムである。条件を満たさないと登場しないフラグ(記憶)を他のフラグと併用してイベントを進行させている。しかし、そのイベントは、常に「とある1日」の中でしか進行しないイベントであって時系列的な繋がりは無い。段々とハマってきた。キャラ以外の部分でも(ぉ
 この主人公は軟弱であるが、それ故に狡猾である。「血糖値が下がり始める頃だ」などという理論を戦術とするのだ。ヤベェ。また「ふむ……」とか、相づちを打ってしまいそうである(笑)
 7周目。
 第2回! 陽光に煌き踊るバトミントン大会~~☆ Yeeah!!
 今だ! 2ゲットズザー!!(ナイスアングル位置へ)
 闘いは勝てば良いのでは無い! 負けなければ良いのだ!!(謎)
 Ahhhhhhhhhhhhh!!!(絶叫)
 ……。
 スキップしてもいいはずなのに、ボクの右手は△ボタン(スキップボタン)じゃなくて□ボタン(テキストウインドウを消す)を押すんです! 俺の意志とは関係無いんです! 脊椎反射なんです!(マテ
 GuuWoooooooh!!(超咆哮)
> みゆ「空を……見ていました」
 木陰で仰向けに寝転がっている、みゆ。
 今、1ヘクトパスカルでも気圧が上がれば、それはもう凄い事に! 凄いコトにィィィ!(フィーバー)
 俺の小宇宙(コスモ)でなんとかなりませんか?(ぉ
 って言うか、なんとかしていいでつか?(マテ
 また2ゲットしていいでつか?(ぉぁ
 8周目~17周目ぐらい。
 激しい変化が無い。と言うか、攻略ルートを攻めあぐねている感じ……。
 しかし、頑張れ俺、とか弱気な言葉は口にしない。
> 澄香はタコのように口を尖らせ、両腕を振る。
 などといった、ちょっとしたテキストの変化だけでヤル気が充填されるので、いつでもハイオク満タンです。です!(ぉ
 エンジンブルブル絶好調! レッドゾーンでぶん回して、タイヤ無交換作戦!(マテ
 18周目ぐらい。
 ようやく、物語が大きく振れ始めたようだ。川へ釣りに行くことになる。
> 澄香は川石の上を、よろよろとサンダル履きで歩く。
 ハイオク満タンです! 限界一杯です!(ぉ
> 澄香「射場隊長! 鴨川二等兵、弾薬(釣り餌)発見致しました!」(笑顔)
 小隊長殿キタ────(゜∀゜)────!!(ぉぉ違
 ニトロエンジン点火しますた!(マテ
 別の場所でゲットしたはずの、雪乃の「転ぶ」フラグが、なんと川岸で発動!(爆笑)
 水濡れCGキタ────(゜∀゜)────!!(ぉぉぉ
 液化水素エンジン炸裂しますた!!(マテ
 30何周目か……(もう忘れた)
 結局、P17nの1日とは、全てスキップできる既読部分になると、1日(1周)が1分ちょっとで終わってしまう短さ。
 無知に対する無限の恐怖。既知に対する従属的な依存。全てが意味を持ち、そして自分へと収束する感覚。しかしそれは、ただの錯覚なのか。
 結局のところ、「夏のとある日」の1日を繰り返すだけなので、初対面なのにラブラブ急接近とかそう言ったギャルゲーらしい恋愛路線に走らないものの、たった1日を繰り返す物語を収束させていくエンディングにはいたく感心した。プレイ時間としては非常に長い1日なものの、オープニングから変わったことと言えばたった1日であるが故に数少ない。世界がどうの、時間の流れがどうのなどと言った小賢しい話も無い。
 あぁ、今日も1日終わったなぁ。無意味にして有意義な1日が。また、明日が始まるのだ。今日と言う日が。

明美エンド

 では、次は明美エンドを目指すことにしよう。
 明美は勝気系で同い年の近所の異性。と、それだけ。特別馴染みのある幼馴染みでもないし、クラスメイトでもない。
 主人公に悪意を寄せていないらしいことは解かるのだが、それ以上の事は無い。
 だがしかし、そのショートな黒髪が俺を惑わせるのだよ少年。(謎)
> 明美「ねぇ……」
 YES?(意味不明)
> 明美「電気消してよ」
 YES?(オーバードライヴ)
 その無防備なTシャツからこぼれ落ちそうなものはなんでつか! ハァハ、ハシタナイ!(挙動不審)
 またしても無作為に取り出した1日が過ぎていく。その日には何も無く、ただ未来に大きな期待を寄せて。波の始まりなど、誰も気が付かないのだ。風の生まれた場所に想いを馳せても届かないのだ。だからと言って意味が無い訳ではなく、何も無いだけだ。
 つーか、ラストの明美タンのひらスカ大学生バージョン最ッッ高ォ!!(ぉぉ
 異様なまでのトランプ弱者である主人公。勝つことを考えていないので、常にビリから2番目をひた走る。だが、何度(20周は堅いと思う)か試した末……ようやくトランプに勝つことができるように。脱衣トランプに(ぉ ←俺が頑張った理由がコレ(ぉぉぉ
 正直者にご褒美は、水着CGですた。
 この時、誰が水着になってくれるかはランダムなのか? 明美シナリオを進んでいたのだが、さよりさんが脱ぐことに。白のぱっつんぱっつん気味ワンピース。
 ふむ……(ぉぉ

みゆエンド

 次は天王山のみゆエンドを目指そう。
 みゆは無口な小学生キャラ。ひらひら装備でツボではあるが、マイナス要素も大きい……さて、吉と出るか凶と出るか……吉に出た時(痕の楓とか)の萌えっぷりも大きいが、凶と出た時(ミルシーのましろとか)も萎えっぷりが大きい系統のキャラクターだ。
> みゆ「お兄ちゃん……」
 え゛っ……?(汗)
 何が?(愕然)
 アンタお兄ちゃんキャラなの?(汗)
> 主人公「他の男にはあまり言わない方がいい。理由は言わないけど、危険だから」
 確かに(ぉ
 それはシスプリが世間を圧倒していることからも理解していただけるのではないか。限界に挑む漢たちへの鎮魂歌(レクイエム)。
 そして、それはプレイヤーが記憶せざるを得ない会話となる。ゲームの攻略的に、本質的な本能的に、YES1択なのだ。
> みゆ「……好きとか、嫌いとか」
 ときめき・ラヴ☆(違)
 もう少し相手を知らなければ答えは返せない。それは理解できるものだ。しかし、その知ること自体に対して期待に満ちている状態は少なくとも嫌いではないのだろう。そうではないのかね、みゆ君。違うのかね、みゆクン。
 その状態に、揺れるみゆタン激しく萌え。(ぉ
> みゆ「お兄ちゃん……また、痛いことして下さい……」
 ……えっと。
> みゆ「また……感じさせて下さい……」
 ……ど、どうすればいいんだ。
> 主人公「俺を信じろ!」
 RRキタ────(゜∀゜)────!!
> 俺が話し出すと、みゆは今までの彼女らしくない、キラキラとした眼差しで見つめてくる。
 俺も激烈キタ────(゜∀゜)────!!
 みゆは時間軸を超えている。薄々は気付いていたが、ここで確信に変わる。この場所に居て時間を共有しながら、みゆの言う明日は今日のここであり明日のここではない。知覚できるものにとって、それはどちらもココなのだ(ぉ?) Cocoなのだ(違)
 かのキャラクターとは相反するキャラクターの持ち主であるが、俺を魂を捉えて放さない極限的な神秘性。所謂、柏木楓系。その過去と、その博識から来る、全てがみゆを位置付けている。
 つまり簡単に言うと、ハゲシク(;´Д`)ハァハァ(ぉマテ
 みゆと明美の先輩。この2人に共通することは無いが、互いに無いものを持っていると言える。彼が彼女に期待しているのは知覚できる記憶。彼女が彼に期待しているのは純粋にその能力。彼女が主人公を選ばなかったのは単純に「お兄ちゃん」になってしまったからだ。彼女が知覚できていない依存と愛情の対象。
 考えれば考えるほどにP17nにハマッてしまう。ダレカ、タスケテ。
 みゆの父親の登場は突然で、これは考察しないと見えて来ないだろう。全エンド……いや、恐らくさゆりさん。だが、彼自身に意味があるわけではなく、彼の登場と拒絶に意味があるのだろう。彼はみゆの欲求を満たすことが出来なかった。それは彼の過失であり、それは故意なのか偶然なのかは解からない。しかしそれは何であれ、許されないことだ。
 だが、彼は、何か絶対的な力を持っていた。周回していた時間と場所が、彼の登場によって変質したのだ。それは世界の終わりではなく、明日だった。
 今一つ釈然としないのだが、みゆの制エプで俺大満足(マテ

さゆりエンド

 次はさゆりさんだ。
 みゆをクリアすると、さゆりさんエンドを見なくてはならなくなる必然。と言うか、むしろ、さらにみゆに萌えるためにさゆりさんエンドを目指そうとしている邪まな俺。誰か、つっこめ(ぉ
 さよりさんが手料理を作ってくれると言う。
 このシーンで、大爆笑。腹が痛いほどに。
> 澄香「あれ~? どうして先輩のだけ特別メニューなんですかぁ?」
> 主人公「ぉぅょ……」
 爆笑。
> 頬肉が壊死して落ちるという意味ではない。勿論。
 言い得て妙、さらに爆笑。
> 瞬間的に反転する右上の時計。
 お約束過ぎるオチに大爆笑。
 3段オチでキメられました。すみませんでした。20分は笑いました。ゴチソーサマでした。
 クリアした直後は全然解からなかったが、みゆエンドと重ね合わせると話が見えてくる。
 さゆりさんの過失ではないにしても、みゆの父親は……それはどうか。みゆの父親に逢った時は話が見えなかったので何も感じなかったはずなのに、今思えばヤツに一発ブチ込んでおけば良かったとか、つーかもし気付いてたら俺、TV壊してたYO! と憤怒が沸いてきてた……うぅ、鬱つつつつ。
 でも、高校生時代のショートカットなさゆりさんはオッケーと言う方向で。(マテ
 トランプに勝つ。トランプに勝つには、最低でも記憶を2つ削らないと勝てない。ギリギリプレイになる(笑)
 今度は澄香がビリで脱ぐことに……。おだんご頭のひらひらビキニ。
 こ、こいつぁ……(謎)
 ハ・ゲ・シ・ク、ふむ……(ぉぉぉ

雪乃エンド

 最後に雪乃に行ってみよう。
 繰り返す1日に気付く者。それはプレイヤー以外にも居た。みゆと、雪乃の兄だ。雪乃の兄とは明美の先輩と同一人物なのだろうか? 違和感は感じないが、そうである必然は無い。結局、雪乃の兄とは、雪乃の兄を演じているだけに過ぎないのだろう。物語として必要になる裏の部分を全て彼が担っているのだ。
 彼は自分の利己の為に今日という明日を変える。それは主人公には知覚出来ないものであるが、プレイヤーのみが気付くことができた。彼はプレイヤーに対するものであって、ゲームの中のキャラと対するものではないのだ。
 雪乃の水着。
 ひらひら付きのワンピース。オプション装備に帽子とパーカーをセット。
 黒の水着であり、その光り方がなんともはやさすがミルシー絵師という趣であるが、水着としてはひらひらワンピースはオーソドックスであり、俺が2番目に好むタイプ(ぉ
 水着CG、最後にみゆたんスク水キタ────(゜∀゜)────!!
 あ、あの無口で利口なみゆが恥らっている!?
 ……ふむ(ぉぉぉぉ
> 澄香「です! でもこれはですね、ここの部分の布のよじれが……」
 よじれが!? よじれが何!?(ぉぉ
> 「状態」みゆと水遊び
> を「記録」しますか?
 ハイです! 未来永劫の記憶にハイでつ! ハイル、みゆタン!(マテ

総括

 では、総評。
 シナリオ単体では評価が難しい。全てのエンディングを踏まえないと、真意が見えて来ないからだ。テキストとしては、それほどの凄みは感じない。それぞれのエンディングも、アタリハズレがあるだろう。しかし、全体を通して見た時は、間違い無く良作と言える。
 CGは最初に説明した通り、大絶賛。1枚CGは無いに等しいのに、満足である。1,500円だし。オープニングムービーはセンスがあって良い。
 音楽はオープニングとエンディングに歌入りのテーマソング。どちらも不思議な癒し系。BGMも、CGほどのインパクトは無いが、BGMとしてとても良い出来になっている。
 システムは悪くないと思う。ただし、これは表面的な部分であって、システムとシナリオを融合して見た時には絶賛せざるを得ない。むしろ、シナリオと融合しているシステムだと言える。
 ボイスなどは入っていない。
 総じて、暇ならプレイして良いゲーム。なにしろ、同じ1日を延々と100周以上続けるのだ。だが、ゲーム中はタルくても、オールクリア後は絶賛しているに違いないだろう。

考察

 どうしてこのような良作が1,500円なのだろう。いや、名作だからこそ、1,500円で再販になったのだと考えたい。
 以下は激ネタバレなので、もちろん背景同化色。
 我々が過ごす日常の中で、「いつもと変わらない」と感じることは多々ある。
 このP17nゲーム内でも、変わらない日常を繰り返し、その日常に感化され、その1日の1周を特別な日だと思えなくなってくる。
 プレイヤーに向けて投げかけられるP17nの素朴な疑問。
 プレイヤーが感じる違和感は、旅行先という日常とは違った特異なゲーム設定にも関わらず毎日が変化しないことである。そしてそれは発展し、「ゲームなのに」1日が変わらない疑問となる。何かしらイベントが欲しい。衝撃的なイベントが。
 しかしそれでも変わらない1日。いつもと変わらない毎日。
 耐えられないならば、プレイヤーはゲームをクリアするまでもなくゲームを投げ捨てる。現実で言えば、自己から社会を放棄する。
 自分では何もしないクセに衝撃的なイベントが欲しい。進んでいるのに、平凡で変わらないことに嫌気がさしてしまう。
 そう考えるプレイヤーに、P17nは明日を見せない。
 それなのに、現実の日常に生きる人は、平凡な日常においてそれを違和感と感じることは無いだろう。常に驚嘆の日々を送りたいとは願わない。それが現実的だからだ。
 連続した急激な変化に対応できないのは確かだ。常に新しい道を歩み、常に毅然とした自己と自分を毎日違う世界で確立出来る。そんな強い人間はいない。
 1日を繰り返す行為は、俺で言うところのブログ(日記)に書くまでもない日常。俺自身は意味が無い日常とは感じていない。しかし、特別な日だったと感じることも無い。
 毎日を過ごしながら劇的な日が来るのを待っている。考えている。劇的にしようと試みる。
 「対応する」という言葉で平凡な日常に埋もれ、異質なものを受け入れない社会を恐れて平凡な思考の自分を目指す。
 そう考えるプレイヤーに、P17nは明日を見せない。
 それはこのゲームの主人公が極端な性格を持って如実に表している。
 冷静で的確な判断が出来るこの論理派主人公は、繰り返す日常が嫌になったわけではない。辿り着く場所が見えてしまうが故に、その辿り着く場所への移動が億劫になっているのだ。解かりきった答えを繰り返さなければならない馬鹿らしさ。そう感じているにも関わらず、辿り着く場所へ歩かざるを得ない自分。常に自分と向かい合い、論理的思考によって自分を騙さなければならない自分に耐えられなくなってきているのだ。
 変わりたいけど変われない。
 自分の意志ではどうにも出来ないという理由を付けて、自分の意志と言う責任によって自分を動かせない。
 選択肢が存在しないことからも解かるように、主人公は自らの意思と思想を論理的思考を持って拒絶する。
 常識的に考えれば、主人公のような哲学的思考を常に持った人は、少し病んでいると言っていい。尚且つ、消極的で理屈屋な主人公。
 冷静で的確な判断が出来るが故に、苦しむ秀才。
 それはつまり、プレイヤーのことなのだ。
 状態を記憶することの出来るガラス片を、あたかも主人公が操作しているように見えるが、主人公は何も出来ない。全てはプレイヤーの意思によって、状態が微細に変化する。
 何も記憶しない状態ならば、プレイヤーに明日を見せないP17n。
 5人もの美少女たちに囲まれて、自分に害為す者は現れない、閉じた幸せな世界。
 だけど、そこに明日は無い。
 1日が無限に繰り返される世界。壊れたCDプレイヤーのような、死の世界。でも、幸せな世界。
 ここで注目したいのが、作品タイトルになっている Prismaticallization だ。プリズムとはもちろん、3角形をした分光器のことだろう。太陽の白色光を通すと7色のスペクトルに分光するアレである。
 5人のヒロインに、立ち絵のある2人を足して7色のスペクトルを現し、ゲームタイトルになっている……と簡単に解釈することも出来るが。
 プリズムに似た構造をもった物をご存知だろうか? いや、誰でも知っているはずだ。カレイドスコープ(万華鏡)である。
 カレイドスコープを覗くと、底の模様が鏡によって閉じた世界でありながらほぼ全周囲に渡って見える現象が起きる。鏡によって鏡の中の空間を反射しながら底からの可視光が目まで届くのだ。
 つまり、同じ1日を繰り返し(同一線上を繰り返し往復し)てこそ、万華鏡模様が見える。
 もしくは、普通の紙に描いた模様は、回しても動かしても同じ模様に見える。だが、カレイドスコープを通して見た場合はどうだろう?
 俺は、P17nをフルコンプした後、シナリオを通して見た感覚は、7色のプリズム分光をカレイドスコープを通して見ているような錯覚を受けた。
 そしてこれが、ゲームタイトルになっているのだ、と。
 これは完全に俺の解釈なので「いや違う」と言われればそれまでなんだが。
 しかし、P17nの来たるべき「明日」というエンディングは、劇的なものではない。俺の大好きな泣きゲーと言う分野のゲームではない。感動はほぼ無い。
 オープニングからたった1日しか経っていないのだ。変わったと解かるのはプレイヤーだけである。それほどの微細な変化だ(時空の記憶を持つ、みゆのシナリオ以外は)。結局、カレイドスコープを通しても見える模様は1種類なのだ。
 それでもその「明日」は、P17nにおいて繰り返す1日よりか、何かが変わっていると気付かされる。
 そのことによって、P17nにおいて繰り返す1日も、繰り返した1日1日全てが意味を持っていたと気付かされる。万華鏡模様に花開くのである。
 繰り返す日常において、昨日の自分と変わっていることに自分は気付くことが出来ない。
 しかし繰り返す平凡な毎日にも、意味はあるのだ。
 そう感じた時に、P17nは名作となるのだろう。
 ちなみに、CGをフルコンプしました。(ぉぉぉ
 記録を持たない状態で、さゆりさんの食事を食べると夢が見れます。そこに異質なモノがあるので紹介。
 アイドル声優(?)澄香たん、光る汗。
 魔女っ子雪乃たん、不思議な生き物。
 テニスウェアの明美たん、鬼コーチ。
 体操着のさゆりさん、ショートヘアー。
 バニーなみゆたん、胸の所がスカスカ。
 ……やっぱり、普通のギャルゲーかも知れません(笑)

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