2001-07-01

Kanon


 選択肢はごくわずかで、ほぼストーリーを読み進めていくのみのサウンドノベル。
 涙無しでは語れないドラマチックストーリーと個性的な登場キャラクター、珠玉のバックミュージック。18禁ゲームだと思って甘く見てると痛い目を見ます。現に俺がそうだった。
 ちなみに、俺が正直に自分の思うとおりの選択をしていくと「名雪シナリオ」のグッドエンドとなった。普通に選択肢を選んでいって気持ち良くエンディングを迎えられる良く出来たゲームだ。12日の登校時に寄り道をしてしまうので「栞シナリオ」は不可。夜の学校には行くが翌日の昼食は先約(名雪や北沢と)があって断るので「舞シナリオ」は不可。木曜日にCD屋を教えてもらうはずだし、雪の中、商店街へ寄ってまで傘を買って帰ろうと思わないので「あゆシナリオ」も不可。毎晩ヤバいことをしてくるし、歩道橋から子犬を投げ捨てるような家出少女は怖いので17日の選択ではどうしても立ち去ってしまう、「真琴シナリオ」も不可。と、こんな感じで「名雪シナリオ」へ行ってしまうわけだな。

名雪シナリオ

 いとこで同居人でクラスメイト。朝が異常に弱い。おっとりしすぎの性格だが、意外と鋭い所もある。
 他のシナリオに比べるとインパクトは薄いかもしれないが、その分キャラが個性的。「奇跡」の恩恵を受けていない(と思う)唯一のシナリオで、あゆとの絡みがイマイチ不自然かもしれない。
 名雪の母、秋子さんは年齢、職業などが全て謎。天才的な洞察力を持つ。
 名セリフは「イチゴサンデー7つ」「私の、本気だよ」
 迷セリフは「わ、びっくり…」「くー」

栞シナリオ

 病気のため、休学中の1年生。アイスクリームが好物。性格は名雪と美坂(姉)を足して2で割ったような感じ。
 このシナリオが一番泣けた。「あゆシナリオ」を理解しているとさらに感動する。何もしてやれない主人公、頭の回りすぎる姉、そして優しい名雪の、各登場人物の距離感が絶妙。
 名セリフは「わたし、笑っていられましたか?」「こんな時は…泣いてもいいんですよね…?」
 迷セリフは「そんなこというひと、嫌いですー」「おくすりならたくさんありますよ」「人類の敵です」

真琴シナリオ

 記憶喪失の女の子。何も覚えていないが、なぜか主人公を憎いと思っている。そのため、主人公に対してかなりヒネている。
 シナリオ前半はコミカルな展開で、シナリオ後半に入ると感動の嵐。グッドエンドだと感動が止まらないが、バッドエンドはかなりブルーになる。
 名セリフは「あ…あう゛ーっ…」(結婚式でヴェールが飛ばされて泣くシーン)
 迷セリフは「買えないっ、買わないっ、買えるかっ!」

舞シナリオ

 3年生。夜の学校で出現する「魔物」と戦う。無口でほぼ何もしゃべらないので会話の応答スピードは遅いが、ツッコミは早い。
 エンディングが納得行かない唯一のシナリオ。他のシナリオで見られるような巧妙な伏線があまり無く、病弱な母の話は突然過ぎる。まぁ、それでも泣ける話なのだが(笑)
 名セリフは「馬鹿だから、どれだけ砂山が崩れたって盛り続けるんだよっ!(主人公)」「失いたいのかっ(主人公)」
 迷セリフは「相当嫌いじゃない」

あゆシナリオ

 全シナリオに対して絡んでくるメインヒロイン。「奇跡の天使」と「食い逃げ犯」を兼ねる凄い人。シナリオの琴線にふれるネタバレとなってしまうが、性格と外見は小学生。
 あゆシナリオを選んだ場合の主人公は、強気な言動に反して心が弱く感じる。幼少の頃の主人公も言動は強気。けど心は弱い。悲しくなれば幻を見る。7年経っても変わらない。しかし、あゆは頼りなげな性格や外見、その存在すら儚いものだと言うのに……7年前にあんなことがあったというのに、最も辛い選択ばかりをしていく。これだけでも泣けるのに、あゆ以外のシナリオを選んだ場合の、あゆの立ち回りを考えるとさらに……うぐぅ。
 名セリフは「ボクのこと、わすれてください」
 迷セリフは「うぐぅ」
 ちなみに「あゆシナリオ」は最後にクリアしたほうが良いと思う。Kanon の謎が詰まったシナリオだから。

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